第二部 侍韓流ドラマ

戦国デイズ – 武将たちの日記

明智光秀くんの日記

明智光秀くんの日記:第51回 蘭奢待(らんじゃたい)、信長、午後三時


織田信長

8月7日 我が主君、織田信長公が東大寺正倉院の秘宝、蘭奢待(らんじゃたい)を見たいと言い出して、僅かな供を連れて奈良へ行かれた。 蘭奢待とは奈良時代、中国より伝来した貴重な香木で、天皇家以外の者が正倉院の宝物に触れること… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第50回 明智式☆豆まきパラダイス


明智光秀の豆まき

2月3日 鬼は外 福は内 鬼って所で誰のこと? 私の背後で知らない間に増殖している、本願寺門徒らのこと?いいえまさか、確かに恐ろしいけれど。 いつもブチ切れている、主君の信長様のこと?いいえまさか、確かに面倒くさいけれど… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第49回 細川藤孝の私の間


細川藤孝

11月13日 今日、友人で同僚の細川藤孝がふらりと私の城(坂本城)を訪ねて来てくれた。 「今日私は、信長公に相談を受けたのだ。」と細川は持参の酒を私の盃についでくれた。 「どのような。」と私はその酒を細川の盃についだ。 … [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第48回 破滅論-有用性の限界


光

8月8日 「この役立たずがッ!!」 我が主君・織田信長様はそう言って、石山本願寺攻めに苦戦した佐久間信盛様を高野山に追放してしまった。 織田家に残ることができた私は、織田家にとって有用な存在なのかもしれない。 だけど、そ… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第47回 憲法記念日スペシャル・信長公の掟


織田信長

5月3日 “どんな理由があっても、何事も信長が言う通りにせよ。 と言っても無理非道だと思いつつ、口先でうまいことを言うようではいけない。 理に適っているなら聞き届けよう。 とにもかくにも、私を崇敬し、影、うし… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第46回 ごろつき、悪党、バサラ


明智光秀

9月23日 周知の通り、今、大名たちの間で流行っていること、それは茶器の収集である。 ついこの間まで、ごろつきとか悪党とかバサラとか言われていた人間たちだ。 茶器などというものに、本気で興味があるとは思わない。 勿論、本… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第45回 あなたと私を繋ぐ楓


明智光秀くんの日記の栞

10月9日 お見合いをしたあの日もそう、こんなふうに見上げる木々がほのかに赤く染まり始める頃だった。 美人なんかじゃなくていい。私はあの日、どうか、どうか、ひろ子さんという人が心優しい人でありますようにと願った。 織田家… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第43回 The One


明智光秀

12月1日 あなたさま、こんにちは!突然ですが、本日で戦国デイズは五周年を迎えることができました。今、この日記を読んでくださっているあなたさまのお陰に他ありません。本当にありがとうございます。 五年前の今日、戦国デイズは… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第42回 かわいそうな人


明智光秀

10月2日 数ヶ月前、織田家老臣の柴田勝家様が長島一向一揆との戦いでひどい傷を負った。 柴田様は治療に専念し、先日やっと織田家に復帰された。その快気祝いとして秀吉が飲み会を企画した。皆こぞって参加するようであったが私は断… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第41回 信長公に仕えている理由


明智光秀

10月2日 私は、何故織田信長などという理不尽な男に仕えているのか、周りから尋ねられることが多々あります。 それでは今日は特別にその理由について、あなたにだけにそっとお答え致しましょう。 私は信長様を心より尊敬しておりま… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第40回 松永の好きな人


明智光秀

8月16日 私の居城である坂本城に、松永久秀殿がやっと完成したという男女の契りの指南書第二弾を持って訪ねに来た。 「第二弾の最初の読者は、第一弾を必死になって売ってくれた明智しかいない。」と松永殿は私に第二弾を渡した。 … [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第39回 寂しい人


明智光秀

5月16日 みんながいいと言っているモノがどこがいいのかわからない。何も認めない。誰からも認められない私は寂しい人。 「やっぱ俺様と明智は似ているかもしれないな。」と松永殿が、晴れ渡る空の下で大きく伸びをした。 「そうで… [続きを読む]

明智光秀くんの日記 第38回 戦国デイズ引っ越します!


明智光秀

3月29日 あなた殿、いつもお世話になっております。今月でズームイン!!が30年の歴史に幕を閉じ、来月から羽鳥慎一殿は他局へお引っ越しだそうで。戦国デイズは勿論、終わりはしないのですが、羽鳥殿同様引っ越します。引っ越し先… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第37回 人の輪に入れない二人


明智光秀

1月21日 隣りの部屋から、昼飯を食べながら、羽柴秀吉やその家臣、織田家中の絶え間ない笑い声が聴こえてくる。 秀吉が太陽の子であることを証明するかのように、秀吉の周りには、いつもこんなふうに多くの人間が集まる。 その反面… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第36回 一目惚れだった。


明智光秀

12月8日 私の妻のひろ子は、私に嫁ぐ直前、疱瘡(ほうそう)を患い、左ほほにひどい痘痕(あばた)が残ってしまった。ひろ子の父は、娘が醜くなってしまったのでと、結婚を白紙に戻そうとした。 「ひろ子さんは既に私の妻と決まった… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第35回 働くということ


明智光秀

10月12日 私は自分の住む滋賀県坂本城から馬を走らせ、松永久秀殿の奈良県多聞城を訪ねた。 「朝日も昇ってないうちから何だよ、明智。」と松永殿は大きなあくびをして、私を出迎えた。 「ま、松永殿著作の男女の契りの指南書一万… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第34回 史上最悪の業務命令


明智光秀

4月9日 今日は織田家中の皆が集まって、会議を開いた。議題は、筒井順慶といくさをしている松永久秀殿の軍に、何千の援軍を送れるかだった。 議論の末、毛利や上杉対策に手いっぱいな織田軍は、松永殿に1500人の兵を貸すのが精一… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第33回 3,700円也


松永久秀

1月26日 私が安土城の廊下を歩いていたら、前方から松永久秀殿がやって来て、「おい、明智。丹羽長秀いるか。」と私に尋ねた。 「安土城の小部屋で、戦国フリーペーパーの安土城だよりを編集していると思いますが。」と私は答えた。… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第32回 愛妻弁当


明智光秀

11月12日 深夜11時。職場の人間が皆帰り、安土城の一室にひとり残った私は、妻のひろ子が作ってくれた弁当を広げた。仕事が忙しすぎて昼飯を食べる時間がなかった。今から食べようと思った。しかし腹が減ったわけでもなく、無理や… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第31回 ジャンケンポン!


明智光秀

9月30日 今日、安土城で松永久秀殿は私を見つけて、安土城の食堂でお昼を食べたいと言った。私は松永殿を食堂に連れて行き、「この戦国自販機にお金を入れて、食券を買ってください。」とメニューの頼み方を教えてあげた。 「明智、… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第30回 不可抗力


明智光秀

7月29日 将軍・足利義昭様が、織田家と対立している諸国の大名に呼びかけ、また反織田信長包囲網を作っているという。どうして義昭様は、信長様にいちいち盾突くのだろう。 重臣たちが居並ぶ、今日の織田家会議で、義昭様と織田の間… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第29回 キンカ頭定食


明智光秀

6月24日 今日、安土城食堂で同僚の滝川一益くんと一緒にお昼を食べた。「光秀殿が食堂で食べるの珍しいですよね。いつも奥さんのひろ子さんの愛妻弁当なのに。」と滝川くんは言った。 「ひろ子は今週、熱海に友達と旅行に出かけてい… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第28回 まだいた上杉謙信


明智光秀

5月23日 昨日は上杉謙信殿が、私の五月病を心配して、ここ近江国まで来てくれた。いまだに信じられなかった。 今日も仕事がある私は、安土城の門をくぐろうした。その時「明智殿!」と私を呼ぶ声がした。振向くと上杉謙信殿だった。… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第27回 修正テープ持ってないか!


明智光秀

4月6日 毛利が倒せない織田家は、今日もまた毛利攻め緊急会議を行った。「貴様ら給料泥棒か!」と信長様の怒りも頂点に達していた。 しかし会議中私は、毛利より自分のことを考えていた。仕事ばかりで、先月も自分の時間が全くなかっ… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第26回 見ている人は見ている


明智光秀

2月20日 今日もまた織田家にて緊急会議が開かれた。関東の北条氏の勢力が、猛スピードで拡大してしまったからだ。 「対・北条担当である滝川一益殿のただの職務怠慢。恥ずかしくないか。」と譜代家臣のひとりが滝川殿に向かって言い… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第25回 私の友人


明智光秀

1月28日 私は疲れていたので、今日は戦国有給休暇を取って、仕事を休んだ。すると、明晰な頭脳を持つ、戦国知能指数IQ135の細川藤孝が、私の屋敷に遊びに来てくれた。 「そういえば、君の飼っている鳥、元気か。」と彼は言った… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第24回 さよなら雀の奈実陀


明智光秀

12月29日 今日で、今年の仕事は終わり。私は雀の涙ほどのボーナスを信長様からもらった。この雀の涙ほどのボーナスで、私の飼っている雀の奈実陀(なみだ)の好物である草の種を、私は城下で購入した。 屋敷に帰ってみると、鳥かご… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第23回 生きることの代償


明智光秀

11月24日 昨日は戦国勤労感謝の日であったことを、私は今日気づいた。昨日は私も休日であったのだが、織田家のことばかり考えていた。織田家という私の職場はどうしてこうも、ギスギスしているのか、昨日も頭を抱えていた。 勤労と… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第22回 勤勉勤労の塊


明智光秀

10月23日 私は常々疑問に思うことがある。それは、日本人による日本人像だ。「日本人は、優しくて、勉強熱心で、働き者だ。」と日本人自ら正面切って言う。厚かましい。そんな三拍子そろった日本人を私は、いまだに見たことがない。… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第21回 雨


明智光秀

8月8日 今日、織田家重臣会議で、信長さまが、来月は新たに50人の武将を織田家に新規採用し、今月は70人の使えない武将を首にすると申された。私は、労働力の切捨てはもうやめましょう、と言った。 まるで人をゴミのように捨てて… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第20回 雀の奈実陀


明智光秀

7月14日 私は今日、織田家からお給料をもらった。しかし、雀の涙程度しか、もらえなかった。いや、もらえるだけ有り難い。在宅ワークで、織田家の求人広告を自宅で作成していたとはいえ、2ヶ月間、5月病の為、織田家に出勤していな… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第19回 五月病からの復帰


明智光秀

7月2日 私は5月病が治ったので、今日からまた織田家に出勤することとなった。今日はちょうど織田家重臣会議の日だった。私は安土城の広間で、重臣たちと並んで、信長さまのお出ましを待っていた。 信長さまが広間にお出ましになり、… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第18回 サルでもハゲでも大歓迎


明智光秀

6月10日 私は先月から5月病を患っていて、織田家に出勤することができずにいた。屋敷に引きこもる私にでもできる仕事として、「サルでもハゲでも大歓迎」という織田家の求人広告の作成を私は信長さまから任されていた。 私の作成し… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第17回 戦国在宅ワーク


明智光秀

5月8日 私は昨日から5月病を患ったので、昨日から織田家に出勤することができず、自分の屋敷で休養している。そして今日、信長さまから大きな箱が届いた。箱を開けてみると、A3サイズの真っ白な紙が500枚入っていた。信長さまの… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第16回 KY求む!


明智光秀

4月20日 先月も信長さまが、多くの家臣を使えないとリストラしたので、私はまた手書きで300枚、求人広告のポスターを、ひとりで作成している。 「KY求む!空気読めない貴様、織田家に来やがれコノヤロウ。 家臣一同ギガント仲… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第15回 足利義昭の溜息


明智光秀

3月23日 春分の日は、3月の織田家重臣会議があったが、私は欠席した。お彼岸ということで、去年の年末に亡くなった、私の飼っていた鳴かないホトトギスのお墓参りに行ったのだった。 次の日、安土城に登城すると、信長さまに「貴様… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第14回 濃姫


明智光秀

1月30日 今日、信長さまのご正室の濃姫さまに安土城内でお会いした。お久しぶりですねと挨拶したあと、濃姫さまは唐突に、「明智さまは、織田に来る前、浪人で貧しい思いをされていたとお聞きしました。」と言った。 「その頃は、家… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第13回 不完全なホトトギス


明智光秀

12月30日 今日未明、私の飼っていた鳴かないホトトギスが死んだ。 今年一年はわけのわからない強い重圧の中に私はいた。織田家中の中ではトップクラスの優秀な家臣として、家族の前では優しい父として、何千人といる私の家臣の前で… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第12回 信長公からのアドバイス


明智光秀

11月6日 今朝、信長さまからストレス解消にはホトトギスの鳴きマネをするといいと、私にアドバイスしてくれた。 え?!ホトトギスは殺すんじゃなかったの?ストレスの元凶に、ストレス解消のアドバイス受ける私って一体・・・。急に… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第11回 信長スイッチオン


明智光秀

10月20日 最近の戦国では「男スイッチ」なるものがオンになると、、「働きマン」というものになって、バリバリ猛烈に働いてしまう女の人がいるらしい。私はこの世で一番、ギリギリの線で働いている「働きマン」のような気がする。そ… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第10回 地震・雷・火事・信長


明智光秀

9月24日 雷乃収声(らいすなわちこえをおさむ)。暦の上では今日あたりから、雷が鳴らなくなるようだ。 地震・雷・火事・信長。 鳴りやまない雷、電光石火のごとく、今日も、安土城に落ちる。また誰かが信長様の怒りをかい、リスト… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第9回 法隆寺の御堂にて


明智光秀

8月28日 今日は1日だけの夏休み。私は法隆寺を見学していた。何故か、私につきまとう大きな犬に境内で出会って、一緒に見てまわった。法隆寺のある立ち入り禁止の御堂。入ってみたいなとなんとなく、戸を叩いたら開いてしまった。恐… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第8回 飛んでくる地球儀


明智光秀

6月27日 明けましておめでとう。・・・嗚呼、間違えた。5月病の病み上がりで、まだこの明晰な頭脳が、よく回らなくて。 でも7月になる前に織田家に復帰できてよかった。今日、安土城で、長い休養ありがとうございましたと信長さま… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第7回 ゆっくり休め。


明智光秀

5月18日 私は5月病にかかってしまい、寝込んでいる。もう2度と信長様に会いたくない、もういじめられたくない、浅井長政殿の金箔に塗られた頭蓋骨でお酒なんか飲みたくなかった、延暦寺を焼き討ちなんかにしたくなかった、嗚呼、も… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第6回 出世競争


明智光秀

5月8日 私はいつもいくさに明け暮れている。そしてへとへとになって仕官している織田家に戻っても、今度は出世競争といういくさが待っている。同僚は悩みを打ち明ける存在とは程遠い、ただのライバルである。 弱いものに手を差し伸べ… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第5回 秀吉の光秀のモノマネ


明智光秀

4月21日 今日は、久しぶりに羽柴秀吉に会った。秀吉は「で、あるか。」という信長様の口癖をものまねして信長様の前でわざわざ披露していた。すると信長様は「似てるのか。」と私に尋ねた。私は「似ておりませぬ。」と申し上げたら、… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第4回 空から降って来た桜


明智光秀

3月30日 今日は安土城で夜遅くまで仕事をしていて、終わって、城門を出ようとした。その時、もうひとつやり残した仕事を思い出して、急いで城に戻ろうとした。 その時、風が吹いて、私の前に桜の花びらが夜空から降ってきた。私はそ… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第3回 疲弊


明智光秀

2月1日 私は人間と言うか、ただの労働力の塊と化してしまった。織田家がどんどん発展する度に、私の心は疲弊していくようだった。目に映る全てのものが、輝きを失い、色を失った。 もう誰も愛することもないし、誰にも愛されることも… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第2回 あなたと私


明智光秀

1月7日 うまくいかないのは、自分だけだと思う。 自分だけが、いつも損な役回りをしていると思う。 だけど、自分はもっと大きなことができると思う。 このままじゃ、終われない。 と、今、あなたの気持ちを代弁してみた。でも私も… [続きを読む]

明智光秀くんの日記:第1回 日記より就寝


明智光秀

 12月1日 最近、信長さまからいつも叱責され、 ストレスで眠れない。昨日も眠れなかった。 今日眠れなかったら3日寝ないことになってしまう。 日記なんか書いてないで早く寝よう。 嗚呼、でも眠れない。 そうだ!ひつじを数え… [続きを読む]