明智光秀くんの日記:第45回 あなたと私を繋ぐ楓
お見合いをしたあの日もそう、こんなふうに見上げる木々がほのかに赤く染まり始める頃だった。
美人なんかじゃなくていい。私はあの日、どうか、どうか、ひろ子さんという人が心優しい人でありますようにと願った。
![明智光秀くんの日記の栞 明智光秀くんの日記の栞](https://sengokudays.com/wordpress/wp-content/uploads/2012/10/book20121009_01.jpg)
明智光秀くんの日記の栞
織田家に転職を決めたあの日もそう、こんなふうに田んぼが黄金に輝く頃だった。
大人でなくていい。私はあの日、どうか、どうか、織田信長という人が世間と時間に縛られない滅茶苦茶な人でありますようにと願った。
そして私は、この日記を書き始めた時から栞として挟んでいる真っ赤な楓を手に取り、再び願った。
どれだけ遠回りしようが、損をしようが、誠実でいてくれるあなたに負けないくらい私は真面目な人でありたいと願った。私は、これから出逢うあなたと同じくらい真面目な人でありたいと願ったんだ。
カテゴリ:明智光秀くんの日記 | 2012-10-09 公開
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