李舜臣くんの日記:第9回 安骨浦パーフェクトゲーム
7月15日
私の率いる朝鮮水軍は、手勢のみで出撃した脇坂安治を閑山島で撃破。
そのあと九鬼嘉隆と加藤嘉明が閑山島に駆けつけたが、劣勢を知ると加徳島の対岸の安骨浦(アンゴルポ)に引き揚げた。
私はただちに朝鮮水軍を率いて安骨浦へ向かった。
壬辰倭乱(文禄の役)が始まる今から一年前。
全羅道井邑の県監だった私は突如、左議政・柳成龍(ユ・ソンリョン)様によって全羅道の水軍司令官・全羅左水使に大抜擢された。そのあと首都ソウル・漢城に訪れた時、
「どうして私を水使に任命されたのですか?」
と私は柳様に直接伺った。
「どうしてだろ?」
と柳様は首をかしげた。
「私の昔からの友人だから、誠実な人柄だから、武人として咸鏡道に侵入した女真族の首領二人を射殺した実績があるから、かな?」
安骨浦の日本艦隊にしっかり狙いを定めて
「発砲準備!」
と私は朝鮮水軍に指令した。
「日本軍侵攻を前にし朝廷の皆は、海上戦の経験がない舜臣を、しかも階級七段跳びで水使に任命するなど言語道断と私の主張に反発した。ならば誰が水使にふさわしいのだろう?」
「発砲!」

柳成龍
朝鮮水軍は安骨浦の日本艦隊に地字(ちじ)・玄字(げんじ)・勝字(しょうじ)等の大砲を放った。
「君を指名した根拠なんてあるようでない。だけど一年後、私はきっとこう言うだろう。」
朝鮮水軍の大砲は安骨浦の日本艦隊を次々に撃破。
「突撃開始!」
味方の武将らと共に私は日本艦隊に飛び乗って剣を振るった。
日本水軍との九戦九勝目・安骨浦パーフェクトゲーム。
「ほらね、私の直感は当たった、と。」
カテゴリ:李舜臣くんの日記 | 2016-07-15 公開
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