毛利秀元くんの日記:第17回 最悪の出逢い
7月20日
僕は最近、馬小屋で寝ている。
釜山日本本営の僕の部屋には朝鮮の女の子がいるからだ。どうしてこんなことになってしまったんだろう。本当に信じられない、いい加減にしてほしい。
それにしても彼女をこの釜山日本本営から解放するにはどうすればいいのだろう。日本軍総帥として僕一人、いい人たらんとすることが許されないこと。然しながら一人のサムライとして、一人の両班女子を救いたい。これが正直な気持ちだった。
君の家族は健在だろうか。日本軍に殺されたり、君のように囚われていないだろうか。
君の家は大丈夫だろうか。日本軍に燃やされたり、金目のものは盗まていないだろうか。
最悪の出逢い。
君が僕を好きになることは、太陽が西から出でて、夜空から星が無数に落ちてくるようなことがあっても、絶対ない。

いたずら好きな両班女子in秀元の部屋
僕は、好きになってくれない人を好きになるほど愚かではない。
この戦時下、これ以上傷ついたら身が持たない。
君をここから一日も早く解放するためにも、君を好きになんかならない。
だいたい僕には既に妻がいる。
僕の父上の形見を肌身離さない、君を好きになんかならない。
どうぞ父上、その刀で末永く彼女をお守りください。
愚かな僕に代わって名前すら知らない彼女を、どうぞ――
カテゴリ:毛利秀元くんの日記 | 2018-07-20 公開
« 小西行長くんの日記:第62回 口実 藤原惺窩くんの日記:第18回 朋有り、遠方より来る »
ランダムデイズ
- 伊達政宗くんの日記:第58回 稲刈り Dance Floor パラダイス
- 藤原惺窩くんの日記:第14回 私の先生
- 藤堂高虎くんの日記:第15回 戦国デイズ11周年-転落
- 大谷吉継くんの日記:第31回 宗茂くんと小早川先輩を信じてみよう!
- 毛利秀元くんの日記:第11回 運命の人