小西行長くんの日記:第62回 口実


小西行長戦国30年7月2日

小西軍籠る平壌城が明・李如松軍の攻撃を受けて、たまらず敗走。南下して命からがら首都ソウルまで辿り着いた。

小西軍の後を追うように李如松軍がここソウルに迫って来る。ソウルの日本軍は緊急の軍議を開いて、李如松軍迎撃の布陣を決めた。

先鋒は立花宗茂・小早川隆景。以下黒田長政・石田三成・大谷吉継らが続く。小西ら平壌城からの敗走組は体力、兵の消耗激しく、布陣から外された。

「かたじけない。せめて、ソウル郊外の様子を偵察して参ろう。」

と私は軍議で諸将に頭を下げた。

 

王宮殿の外は危険では?

と娘婿の宋義智(そう-よしとし)は両班に扮した私を制止した。

「朝鮮のことなら何でも知っている婿殿が一緒なら心強い。」

私もですか?

「お前の右腕・景轍玄蘇(けいてつ-げんそ)、私の相棒・内藤如安も一緒だ。」

じゃじゃ~ん、妓生に見えますか?

とめかし込んだ内藤如安が顔を赤らめた。

何故、女装…

と和僧から朝鮮儒者に化けた玄蘇が言った。

「いつか、ソウル食べ歩きがしたいと言っていたではないか。」

と私は義智に朝鮮男子の装束を渡した。

小西行長・内藤如安・宗義智・景轍玄蘇

完璧なコスプレ

「そんな、あくまで偵察なのでは?」

口実です。

と如安が義智に耳打ちした。

「ソウルの日本軍が李如松軍に勝っても負けても、恐らくこれが最後のチャンスだ。」

マジ卍…

「上等じゃないか。」

私と如安、玄蘇が笑うと、義智も渋々、朝鮮装束に腕を通した。

そして卍な私たちは、立花・小早川らソウルの日本軍の迎撃準備をよそに王宮殿の外を飛び出した――

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