明智光秀くんの日記:第37回 人の輪に入れない二人


明智光秀1月21日

隣りの部屋から、昼飯を食べながら、羽柴秀吉やその家臣、織田家中の絶え間ない笑い声が聴こえてくる。

秀吉が太陽の子であることを証明するかのように、秀吉の周りには、いつもこんなふうに多くの人間が集まる。

その反面、私は、いよいよ孤独を深めていった。独りでいることは私にとって、何かを創造する為にも、人生を切り開く為にも、心の休息を取る為にも、とても貴重な時間だった。

しかしそんな暇があったら、秀吉のように自分を雄弁に語り、人脈を広げた方が、このご時勢、仕事に有利に働くのは自明だ。けれど私は、そういうことがどうにも、うまくできなかった。その時、

よッ!明智光秀、久しぶり。」と松永久秀殿がやって来た。「昼飯は食ったか。」「いえ。」「じゃあ一緒に食おうぜ。

何故私と?秀吉がいる隣りの部屋の方が、賑やかで楽しいと思いますよ。」「俺様は明智の様に、いつもマイナスイオン出している様な、辛気(しんき)臭い人間の方が好きだから。

「松永殿は変わってますよ。」「うん、それは最高の誉め言葉だな。

と松永殿は長男の久通殿に作ってもらったという、おにぎりをほおばった。松永殿も実は私同様、ヒトの輪に入っていくのが苦手な、不器用な武将なのかもしれなかった。そう思うと何だかおかしくなってきた。

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