淀殿の日記:第33回 義父・柴田勝家の記憶
12月15日
今日はわらわの親戚且つよき相談相手の織田有楽斎(うらくさい)殿が、大坂城のわらわを訪ねに来てくれた。
有楽斎殿と取るに足らない話をした後、有楽斎殿は
「それにしても淀殿のお顔は、一段と今は亡き柴田勝家殿に似てきた。勝家殿と淀殿は親子だったから当たり前なのかもしれんがのお。」
と笑った。
は?
毛むくじゃらで山から出てきた熊にしか見えない柴田の父上と似ているって、それって…
ブスってこと!?
というか柴田の父上は母・市の再婚相手であり、柴田の父上とわらわは血が繋がっていないのじゃが。けれど似ていると言われて悪い気はしなかった。

柴田勝家
何故なら、柴田の父上はまるで実の父のように深い愛を持って、わらわを厳しくしつけてくれたからじゃ。
だから欲しいモノはほとんど買ってもらえなかった。けれど、お茶々が強い女性になれるようにと書物はいくらでも買ってくださったこと、余り読まなかったけど今も感謝している。
そして柴田の父上は深い優しさを持って、わらわが人の道に外れるようなことをした時は、わらわを厳しく叱ってくださったことも感謝している。
称賛などと違って叱るという行為は、その人を本当に大切に思っていなければできない。だから柴田の父上に叱られたことは、今でもわらわの人生の宝であった。
カテゴリ:淀殿の日記 | 2013-12-15 公開
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