後藤又兵衛くんの日記:第58回 福島殿との最後の晩餐


後藤又兵衛6月6日

関ヶ原の戦いで、豊臣秀吉子飼いの加藤清正、福島正則、そしてわが主君・黒田長政は、東軍に属し、徳川勝利に大きく貢献した。

しかし、豊臣最右翼ともいうべき加藤、福島、黒田は、いまだ50万石を誇る大名であったので、戦後、彼らは徳川から要注意人物としてマークされていた。

だから吉兵衛(黒田長政)は福岡城で今日も、改易の憂き目に合わぬよう、いかに徳川に媚びるかを無い頭で考えていた。そこに、

ウォー、長政殿!広島名物のお好み焼きを持ってきたぞ!!

と広島城主の福島正則殿がいきなり遊びにやって来た。

てんめえ、二度とウチに来んなっつったろッ!!

と吉兵衛は拳で福島殿の顔面を思いっきり殴った。福島殿はその勢いで背後の襖と一緒に倒れた。

…ッタア!どういうことじゃ、長政殿!

福島殿は切れた口を手で拭いながら言った。

貴様とはもう絶交したということだ。」「絶交?!なんで。

貴様が徳川殿から嫌われているからだよッ!」「そんなバカな。

広島のお好み焼き

広島のお好み焼き

悲しいがこれが豊臣恩顧の武将の現実なのだ。わしは一国の主(あるじ)として、福岡藩を存続させ、ここにいる後藤又兵衛みたいなバカな使えない家臣でも、家臣の雇用は守ってやらねばならぬ。だから福島殿とは縁を切るしかないのだ…

主君にとって家臣より大事なものはないからな。

市兄(いちにい)ッ!」「心やさしき弟よッ!

二人は肩を抱き合って涙を流しあった。

しかしその夜、福島殿との最後の晩餐で吉兵衛が、「縁を切るには広島のお好み焼きはおいし過ぎだろッ!」って、今までの話もお好み焼きのようにキレイにひっくり返してしまった。今日も流石だな、うちのお殿様は。

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