小西行長くんの日記:第42回 Without 宇喜多秀家


小西行長戦国23年8月7日

日が沈む頃、うちの宇土城の門を叩く音が聴こえた。扉を開けると、少し焼けた隣り近所の清正が立っていた。

大坂城から只今肥後国に戻って来た。」と言う清正に、「あっそ。」と私は吐き捨てるように言った。

大坂城では、おまえの元主君に逢って一緒に食事をした。」「八郎さ…いや宇喜多秀家様と?」

ああ。肥後国に帰ったら小西に宜しくと言っていた。」「それを伝えにわざわざ?」「悪いか。」と清正は言って、馬に乗って熊本城に帰ろうとした。

「おい、ちょっと待て。秀家様は、小西に下手なマネをしたら宇喜多の軍勢が備前国から熊本城を攻め滅ぼしに来るとか、おまえに言ってなかったか。」

そんなことは言ってない。」「冗談だよ。」「いや、でもありえなくもない。」「え?」

小さい頃、苦手な人参を小西が全部食べてくれたから、いまだに自分は人参が食べられないとか言ってる、ふざけた野郎だったし…

と清正は溜息をついた。

そんなに八郎様の人参を食べたっけ?あんまり覚えてないけれど、もしかして俺ってここが駄目でも帰る場所があったりするんだろうか。そんな、まさかね。

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