真田幸村くんの日記:第44回 Monster of shadow


真田幸村9月30日

大坂城の支配者は、淀殿と秀頼様である。しかし、ふと思う時がある。

大坂城の支配者は、淀殿と秀頼様ではなく、淀殿と秀頼様に仕えるその下の、他人と自分との間の距離を忘却した多数者なのではないかと。

今の大坂城にあるもの。それは自分たち多数者に反抗する個人に対する迫害だけである。

よって大坂城上層部が考案する徳川を倒す為の策がどんなに愚策であろうと、文句を言う者はほとんどいなくなった。

もしかしたら徳川を倒す前に私は調和を乱す者として、この多数者によって社会的に抹殺されるかもしれない。

真田幸村

真田幸村

この多数者たちの存在は今や、私の生死に関わる問題である。

そんな大袈裟な、と言うこと勿れ。事実私は、徳川を倒すことより彼等と共存することの方が困難なのである。

しかしこんな所で倒れるわけにはいかない。自分を取り巻く今の環境が苦しいと感じているあなたを守る為にも、どんなに迫害を受けても最後の戦国武将として私は、この影の怪物たちと対峙して一人でも戦おう。

何故なら私を救ってくれる者がいるとしたら、それは自分を温かく迎えてくれる都合のいい仲間などではなく、世界を敵に回しても自分の信念を曲げようとしない個人でしかありえないのだから――

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