明智光秀くんの日記:第15回 足利義昭の溜息
春分の日は、3月の織田家重臣会議があったが、私は欠席した。お彼岸ということで、去年の年末に亡くなった、私の飼っていた鳴かないホトトギスのお墓参りに行ったのだった。
次の日、安土城に登城すると、信長さまに「貴様は、わしを馬鹿にしているのかッ!」と会議に出なかったことを叱り飛ばされ、顔を思いっきり殴られた。
そして今日、私は京にいる足利将軍義昭(よしあき)様の屋敷にいる。私は義昭様に言った。「義昭様は、武田に信長を倒せと密書を送っているご様子。今、義昭様が室町将軍でいられるのは、信長さまのお力があってこそ。そのご恩をお忘れですか。義昭様は、室町幕府を自ら潰すおつもりですか。」私は問い詰めた。
義昭様は溜息をついて言った。「光秀、その顔の大きなアザは。」「信長さまに殴られました。」「そなたは織田家に仕官していて楽しいか。」
「楽しいとか楽しくないとか、そういう問題ではないのです。私には家族がいます。一家の大黒柱として、職場のパワハラくらい、家族が生きてゆく為ならば、どうとういことはありません。」
義昭様はアホくさ・・・と言った後、「光秀の鳴かないホトトギスの墓に、これを。」と、珍しい四つ葉のクローバーを私にくださった。
カテゴリ:明智光秀くんの日記 | 2008-03-23 公開
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