明智光秀くんの日記:第18回 サルでもハゲでも大歓迎
私は先月から5月病を患っていて、織田家に出勤することができずにいた。屋敷に引きこもる私にでもできる仕事として、「サルでもハゲでも大歓迎」という織田家の求人広告の作成を私は信長さまから任されていた。
私の作成したこの求人広告は、多くの諸大名の反発を招いているらしい。織田家が他家の領内に、許可なくこれらをバラまいたこと、文言に品性のかけらもないこと、などが原因のようだ。
私の仕事は今まで、織田家に貢献したことはあっても、社会貢献とは乖離(かいり)したものであった。私は、自分の仕事に誇りなどなく、働けば働くほど、自分が汚れてゆく感じで今回もまたその延長線上にあった。
そんな気持ちを殺して、今日も求人広告を作成した。311枚目を書き上げた所で、私の屋敷に丹羽さまからお手紙が届いた。丹羽さまは、柴田さまと並ぶ、織田家重臣の筆頭であられる方だ。
「明智殿、お体の具合はいかがでしょうか。明智殿が作られた求人広告のおかげで、優秀な人材が織田家で働きたいと、毎日のようにお城に集まって来ています。
織田家は他家より働く環境は厳しいかもしれない。しかし身分の低い者やお金のない者が、そのことで苦しんでいるのであれば、それを引き受ける懐の大きさも、織田家にはあるということ。だから明智殿も私も、織田家に身を置いているのではないでしょうか。」
良くも悪くも、全ての価値観を壊し新しいものを創造してゆく。それが私の主君。織田信長さまであった。
カテゴリ:明智光秀くんの日記 | 2008-06-10 公開
« 武田信玄くんの日記:第18回 容姿を問わない織田家 徳川家康くんの日記:第12回 真田信之、遊びに来る »
ランダムデイズ
- 小西行長くんの日記:第42回 Without 宇喜多秀家
- 加藤清正くんの日記:第41回 臨海君と順和君
- 豊臣秀吉くんの日記:第40回 宗義智、宣祖に拝謁す
- 加藤清正くんの日記:第51回 撃ちてし止まむ
- 豊臣秀吉くんの日記:第46回 小田原への宣戦布告