明智光秀くんの日記:第48回 破滅論-有用性の限界

読むのにかかる時間:約1分13秒

明智光秀戦国26年8月8日

この役立たずがッ!!

我が主君・織田信長様はそう言って、石山本願寺攻めに苦戦した佐久間信盛様を高野山に追放してしまった。

織田家に残ることができた私は、織田家にとって有用な存在なのかもしれない。

だけど、それがどれ程のことなのだろう。

有用な存在というのは、ただ単に、信長様の、他人様の欲望を生きていると言っても過言ではない。

だけど人様のお役に立てなければ、この生は世間からは排除され、破滅へと向かうかもしれない。

私はいつもそれに怯えているのだけど、けだし、破滅こそ人間の欲する本来的なものではないだろうか。

平将門、源義経、楠木正成。光

大体において私たちが思い描く英雄たちの最期は、成功ではなく破滅であることは一考に値する。

己を滅することができなければ、逆に向上も成長もないだろう。

灼熱の真夏の太陽の下。

全てを失う勇気もまだないというのに、暑さのせいだろうか?

この役立たずがッ!!

信長様が佐久間様に放った言葉が、私には神々しく思えてきたのだった。

前後の日記

« »

関連トピック

ランダムデイズ