第二部 侍韓流ドラマ

戦国デイズ – 武将たちの日記

淀殿の日記

淀殿の日記:第38回 ひとこと


戦国スイーツ

2月24日 やせの大食いって何だ、やせの大食いって!! 「淀殿。デイズはツイッターじゃありませぬぞ。」 と北政所が戦国キャラメルタルト二個目を食べながら言った。 「最低でも三百字は書かないと。」 とまつ殿が戦国ロールケー… [続きを読む]

淀殿の日記:第37回 恋は君のために


桜

4月6日 外を見渡せばもう、桜が散り始めてるなあ。 それにしても。 恋というのは、わらわのように特に志もなく、いつも異性のことで頭がいっぱいなバカ女より、快楽はもはや苦悩を乗り越えた瞬間にしか訪れない気がしている人のため… [続きを読む]

淀殿の日記:第36回 最後の人


淀殿

12月27日 千利休が殿下に命じられて切腹。 翌年には文禄の役と呼ばれる、朝鮮への侵攻が始まった。 三年後には、関白・豊臣秀次が殿下に追放され、高野山で切腹。その一族は京都三条河原で斬り殺された。 その翌年には、京に大地… [続きを読む]

淀殿の日記:第35回 ワカドン!


淀殿

9月9日 わらわは今日の午後、大坂城でおやつの時間に一人、カステーラを食べながら、なんとなく百人一首に収められた王朝和歌を読んでいた。 三:あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝る(柿本人麻呂)… [続きを読む]

淀殿の日記:第34回 華麗なる滑稽


織田有楽斎

5月19日 白状するとわらわは、色欲に溺れる武将、愛だの恋だの信じている姫たちをどれ程軽蔑していたかわからない。 あの時―柴田の父上が母・市とともに自害された時――、炎上する北ノ庄城を見つめながら、わらわは絶対にてっぺん… [続きを読む]

淀殿の日記:第33回 義父・柴田勝家の記憶


柴田勝家

12月15日 今日はわらわの親戚且つよき相談相手の織田有楽斎(うらくさい)殿が、大坂城のわらわを訪ねに来てくれた。 有楽斎殿と取るに足らない話をした後、有楽斎殿は 「それにしても淀殿のお顔は、一段と今は亡き柴田勝家殿に似… [続きを読む]

淀殿の日記:第32回 七夕なんて叶わないと思ってた。


淀殿

7月5日 大坂城に大きな笹が二本運ばれた。 わらわは「母・市のような美人になれますように。」と短冊に書いて一本の笹に結んだ。その時、思いがけず今年の大坂城七夕祭実行委員の大野治長がやって来た。 「そんな下の方ではなく、も… [続きを読む]

淀殿の日記:第31回 新年というのに君は、


大野治長with上杉景勝・徳川家康・前田利家

1月9日 新年というのに君は、仕事でミスの連続。 殿下に怒鳴られ、職場の人間関係にも疲れ果てて、 「もう、辞めたい。」 って大坂城の櫓の片隅で肩を落としている。   新年というのに大野治長は、わらわの視線にまる… [続きを読む]

淀殿の日記:第30回 十炷香-其三


淀殿

9月26日 十種の香を聞き当てるゲーム・十炷香(じゅっちゅうこう)。先日、わらわと五大老で十炷香対決をやった。 結果は五大老の負け。彼らは罰ゲームとして、わらわの代わりに大野治長に理想の女性のタイプを聞くことになっていた… [続きを読む]

淀殿の日記:第29回 十炷香(じゅっちゅうこう)其一


十種香(じしゅこう)道具

9月9日 わらわは本日、豊臣政権五大老である家康殿、利家殿、輝元殿、秀家殿、景勝殿を大坂城の自分の部屋に呼んだ。 十炷香(じゅっちゅうこう)という、数種の香10包をたき、その香の名を聞き当てるゲームに参加してもらう為であ… [続きを読む]

淀殿の日記:第28回 最強の鈍感


大野治長

3月29日 サルを独占したいとか夢にも思わないけれど、サルは最近迎え入れた若い側室に熱を上げていて、わらわのことはすっかり忘れているようだった。 そんな時は、サルの正室・北政所の部屋をなんとなく訪ねてみるのだけれど、彼女… [続きを読む]

淀殿の日記:第27回 大野治長が結婚するまでのカウントダウン


淀殿

10月17日 大野治長に辿り着く為にどれ程の犠牲を払って来ただろう。 大野治長に辿り着く為にわらわは、いくさで実父の浅井長政、義父の柴田勝家、そして実母の市をも失った。 そして大坂城に入ったわらわは、猿の側室になり、周り… [続きを読む]

淀殿の日記:第26回 Got To Be Real


淀殿

9月5日 甘いフェイスにして頭脳明晰。笑いのセンスだって抜群。 大野治長に出逢うまでは、理想の男性は物語の中にしかいないと思っていた。 物語を遥かに超える人。突拍子もない行動に、予測不能な発言。 だから一緒にいて飽きるこ… [続きを読む]

淀殿の日記:第25回 大失恋中


淀殿

6月12日 「こんなこと言ったら器の小さい女って思われるかもしれなけれど、淀殿ってお育ちがいいってだけで、ぶっちゃけ美人でもないし、何か特技があるってわけでもないし、殿下はあの女のどこがいいんだか。だいたい秀頼ってホント… [続きを読む]

淀殿の日記:第24回 君を忘れる方法


淀殿

4月30日 大野治長に彼女ができたらしい。 ちょっと優しくされただけで、大野治長と自分は同じ気持ちだと確信してしまった。 自分が馬鹿すぎて泣けてくる。 大野治長に彼女ができたくらいで、簡単に諦める様な片思いをしてきたわけ… [続きを読む]

淀殿の日記:第23回 わらわは生きる。


淀殿

 3月18日 大野治長は今日も笑顔で頑張っているような気がするから、わらわも負けてられますまい。 わらわは生きる。 今がどんなにしんどくとも、あなたのそのたくましい腕の中に身を投じるまでは、死にますまい。 [続きを読む]

淀殿の日記:第22回 家族


淀殿

2月3日 サル(秀吉)の容態が、悪化の一途を辿る。サルが死んだら、徳川方の全国の諸大名が、大坂城を潰しにかかるだろう。 燃え落ちてゆく夕日の影が、大坂城の廊下に茫然と立ちつくすわらわの足元に忍び寄る。その時、 「秀頼君、… [続きを読む]

淀殿の日記:第21回 女ともだち


淀殿

12月9日 「合コン」も苦手だが、「女子会」と言うものも意味がよくわからない。 って友だちがいないから、どちらも誘われたことがないのじゃがな。 今度、北政所とまつ殿にどんなもんか聞いてみるかのう。 [続きを読む]

淀殿の日記:第20回 恋の交通手段


淀殿

11月2日 戦国時代に、自転車もバスも電車もなくてよかった。 あってもどうせ、大野治長とわらわの距離は縮まらないんでしょ。 戦国時代に、自転車もバスも電車もなくてよかった。 もしあっても、自分の足で走って、大野治長に逢い… [続きを読む]

淀殿の日記:第19回 恋の情報格差


淀殿

9月25日 大野治長(はるなが)は、戦国「君に届け」に出てくる「風早くん」に似ていると思う。 ということを、北政所(きたのまんどころ)と大坂城に遊びに来ているまつ殿に話したら、 どこが?! と二人に大笑いされた。 「あん… [続きを読む]

淀殿の日記:第18回 先陣


淀殿

8月20日 わらわはこの年で、「おはよう」は、先に言われるより先に言った方が気持ちがいいことに気がついた。 わらわは、自他共に認める気の強い性格だったはずじゃ。けれど、実は「おはよう」すら、誰かから先に言ってくれることを… [続きを読む]

淀殿の日記:第17回 6月の雨


淀殿

6月14日 振り払っても振り切れない、うっとうしい6月の雨が嫌い。 やたら目につく、素朴さを失ったアジサイの花が嫌い。 わらわに平伏しているようで、平然とわらわを見下し、バカにしている諸大名たちが嫌い。男がキライ。女も大… [続きを読む]

淀殿の日記:第16回 恋の風林火山


淀殿

4月2日 風:攻めるべき時には風のようにすみやかに襲いかかれ!(速きこと風の如く) 本日、大坂城桜門の下で、知らない女と二人でいる大野治長を発見。わらわは、箒(ほうき)を持って、二人に突撃した。 「ちょっと、そこ掃きたい… [続きを読む]

淀殿の日記:第15回 わらわにだけ冷たい


淀殿

12月30日 大野治長は誰にでもすごく優しいけど、わらわにだけは、冷たいと思う。 だからわらわは、大野治長にとって、特別な存在なんだと思う。 わらわを避けたり、わらわに滅多に文をくれないのは、わらわが特別な存在だからなん… [続きを読む]

淀殿の日記:第14回 サルが死んだら


淀殿

10月7日 太閤殿下がまた体調を崩され、ここ数日、ずっと床についたままだ。殿下は、このサルは、このまま死ぬのだろうか。 いくさにより父も母も失い、孤独になったわらわを、純粋に愛してくれたのは、サルだけだった。 母はある意… [続きを読む]

淀殿の日記:第13回 覚えてくれてたんだ。


淀殿

9月1日 大野治長(はるなが)は先日、夏休みを取って、どこか少し遠くへ、遊びに行ったらしい。そして今日。大坂城に戻って来た大野治長は、土産を持って来てくれた。 わらわの息子の秀頼には絵本を、わらわの側近の大蔵卿(おおくら… [続きを読む]

淀殿の日記:第12回 写真もメールもいらない恋


淀殿

7月12日 戦国に写真がなくてよかった。写真の中の大野治長(はるなが)よりも、自分の頭の中に深く刻み込んだ大野治長の方が、より本物に近いはずじゃ。 目の形、髪の質感、肌の色、えくぼに髭。その全てを、写真に頼らずとも、わら… [続きを読む]

淀殿の日記:第11回 色気のないお守り


淀殿

5月9日 世間が仕事のやりがいや趣味に熱狂する中、わらわはただ恋がしたかった。わらわにとって恋より楽しくて苦しいものは、どんなに探してもこの世にはなかった。 大坂城に勤務する大野治長は、戦国GWにどこかに遊びに行ったらし… [続きを読む]

淀殿の日記:第10回 桜と薔薇


淀殿

4月1日 今年こそは、大坂城の桜の木の下を大野治長(はるはが)と歩いてみたい。大野治長の肩に桜の花びらが落ちて、わらわがそれを取ってみたり、桜の下で一緒にお弁当食べたり… 「淀殿ってバラって感じだよね。」 と加賀前田のま… [続きを読む]

淀殿の日記:第9回 雨漏り


淀殿

3月6日 今日は地方の大名が数名、太閤殿下のご機嫌を伺いに大坂城に来ていた。 わらわも彼等に挨拶するよう殿下に言われていた。大名らが集まる部屋に向かう時、大坂城の屋根の修理をしている者がいた。大野治長だった。外は雨が降っ… [続きを読む]

淀殿の日記:第8回 サルと利家


淀殿

2月11日 今日は太閤殿下の正室、北政所(きたのまんどころ)に会いに、加賀前田のまつ殿が大坂城にやって来た。北政所の部屋で、わらわも一緒にお茶をした。 「うちの旦那の利家が、よそで女作ってた。しかも子供まで作っていた…」… [続きを読む]

淀殿の日記:第7回 ガードの固い男


淀殿

1月21日 わらわは、大坂城の庭で、幼い我が子、秀頼とフキノトウを取って、遊んでいた。遠くに目をやると、大坂城に勤務する大野治長(はるなが)が、同僚と梅の木を植えていた。 「パパ!」 と叫んで、秀頼は大野治長に、後ろから… [続きを読む]

淀殿の日記:第6回 石田三成よりいい男


淀殿

12月22日 大坂城で働く女中たちや、わらわ以外の太閤殿下の側室どもは、石田三成にキャーキャー言っているが、わかってないね、男を。 大坂城イチいい男は大野治長に決まってんだ。 影の薄い男、じゃなかった、人より前に出ない男… [続きを読む]

淀殿の日記:第5回 大野治長にゾの字


淀殿

11月12日 今日は太閤殿下の正室、北政所(きたのまんどころ)に呼び出され、彼女の部屋に言った。 「おぬしは、サル(秀吉)の側室である。しかしサルを一身に愛すわけでもなく、大野治長(はるなが)にうつつをぬかしていると聞く… [続きを読む]

淀殿の日記:第4回 恋の弓矢


淀殿

9月28日 わらわはほしいものは全て手にしてきた。身分、権力、そして城まで手にしてきた。 残るは、大野治長(はるなが)ただひとり。この男は、わらわに仕える大蔵卿(おおくらきょう)の子で、大坂城に勤務する。 一番簡単に手に… [続きを読む]

淀殿の日記:第3回 戦国の妻(おんな)たち


淀殿

8月21日 今日は大坂城に、太閤秀吉様の正室・北政所の友達がやって来た。北政所に挨拶するよう言われたので、「お久しぶりです、加賀前田の竹殿。」とわらわは挨拶した。 「あらあら、北政所様の友達ということで、淀殿にとっては、… [続きを読む]

淀殿の日記:第2回 石田三成の失言


淀殿

7月22日 太閤秀吉様の正室・北政所(きたのまんどころ)が、自分の部屋で、太閤様の側室であるわらわの産んだ、幼い秀頼をあやしていた。 「秀頼(ひでより)は本当に、色白でかわいいのお。あのサル(秀吉)の子とは思えんわ。」と… [続きを読む]

淀殿の日記:第1回 太閤殿下のナンバー2


淀殿

6月25日 今日は大坂城の大広間に諸大名が30人くらい集まり、わらわも顔を出すようにと太閤殿下に言われた。諸大名の殿下への挨拶を聴きながら、わらわは煙草をふかしていた。 すると、わらわの隣りに座っていた、殿下の正室・北政… [続きを読む]