淀殿の日記:第10回 桜と薔薇


淀殿 4月1日

今年こそは、大坂城の桜の木の下を大野治長(はるはが)と歩いてみたい。大野治長の肩に桜の花びらが落ちて、わらわがそれを取ってみたり、桜の下で一緒にお弁当食べたり・・・

淀殿ってバラって感じだよね。」と加賀前田のまつ殿が酒を飲みながら言った。「まつ殿よう言った!こんなに桜の似合わない日本人も淀殿しかいまい。」と北政所も酒をごくごく飲みながら言った。わらわはこいつらと大坂城の庭で花見をしている最中であった。わらわのせっかくの妄想をめちゃくちゃにしやがって、くっそー。イイ所だったのに、くっそー。「ほれ、淀殿も飲みなされ。」と北政所がわらわにお酌してくれた。一気飲みして、北政所に「もう一杯!」とわらわが叫んだ時、大野治長と目があった。

大坂城に勤務する彼は、この城の花見のゴミ集めをしたり、倒れた酔っ払いを助けたりしていた。まつ殿と北政所とわらわの周りの、飲み干された酒の山。大野治長は悪いものでも見たように、ぎょっとして、わらわに軽く会釈して去って行った。嗚呼・・・わらわの恋がまた崩壊してゆく・・・

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