毛利秀元くんの日記:第21回 降倭・萱島元規


毛利秀元4月29日

朝鮮高官の娘・ソヨンと共に逃走した、毛利の裏切り者

その名は萱島(かやしま)木兵衛元規(もとのり)。

無名の武将というわけではなかった。

彼は僕の身の回りの世話をし、いくさとなれば兵を束ねる勇敢な毛利の部将であった――

 

朝鮮軍に捕らわれ、なんとか逃げ帰ってきた毛利の者から本日、萱島についての情報を得た。

日本軍に潜入してその動静を探っていた、東莱(トンネ/釜山北東の地名)の儒者・宋昌世(ソンチャンセ)という者がおります。

一方、釜山日本本営にあった毛利の部将・萱島元規は、朝鮮側に投降しようという気持ちに揺らいでいました。これを知った宋昌世は元規を誘い、元規はそれに従ったようです。

これに伴い朝鮮朝廷は、萱島元規に正三品・折衡将軍の辞令を与えました。

「元加藤清正軍の将で降倭の沙也可も高位高官と聞く。なるほど、降倭が続出するわけだ。」

僕は妙に感心した。

そなたは我等を裏切らず、よくぞ戻って来てくれた。

僕の家臣・宍戸元続は感極まって泣いた。

朝鮮人になるくらいなら死んだ方がマシです。

姑息な朝鮮朝廷。

朝鮮軍と共に萱島元規を必ず撃つべし!

僕の家臣らは怒りに燃えて、一斉に立ち上がった。

 

萱島元規

萱島元規

僕は、朝鮮朝廷の方が日本軍より一枚上手(うわて)な気がした。

仮に朝鮮の武将が日本軍に投降しても、日本の百姓と同等程度の身分を保証するにとどまる。大きな違いだった。

 

いっそ萱島は、沙也可を凌ぐ降倭になってほしい。

ソヨンよ、その愚かな侍は僕の家臣だ。

カッコよすぎない?

そうね、たぶん嫉妬で狂いそうなほど――

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