淀殿の日記:第4回 恋の弓矢


淀殿戦国20年9月28日

わらわはほしいものは全て手にしてきた。身分、権力、そして城まで、手にしてきた。残るは、大野治長(はるなが)ただひとり。この男は、わらわに仕える大蔵卿(おおくらきょう)の子で、大坂城に勤務する。

一番簡単に手にできるかと思ったら、意外に難しいのは何故なのだろう。惚れられる前に惚れてしまった。実に屈辱的である。わらわは南蛮風に大野治長を落してみることにした。彼は今、大坂城の廊下で同僚武将らと話をしている。わらわは弓矢の柄の部分にハートを取付けて、弓を引いた。

ぎゃあ!!!

と大野治長は叫んで廊下に倒れた。弓は彼の背中にささった。彼の同僚武将らは、治長殿!治長殿!とささった弓を抜いて、介抱していた。彼は厚着なので、大事なかったようじゃ。しかしこれで、本当に大野治長はわらわに好意を抱くのか?!キューピッドの矢とやらを引いたくらいで。異国式恋の駆引きは実に手荒いマネをするものじゃ。

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