淀殿の日記:第5回 大野治長にゾの字
11月12日
今日は太閤殿下の正室、北政所(きたのまんどころ)に呼び出され、彼女の部屋に言った。
「おぬしは、サル(秀吉)の側室である。しかしサルを一身に愛すわけでもなく、大野治長(はるなが)にうつつをぬかしていると聞く。今日は白黒ハッキリつけたい。おぬしは、ここ大坂城に勤務する大野治長にほの字なのか?」
と北政所は言った。
「ほの字ではない。ゾの字じゃ。」
とわらわは答えた。
「ゾの字とはなんじゃ。」と北政所が尋ねた。
「ゾッコンという意味じゃ。今時、ほの字とか言っている人間が、まだいるとは思わなかった。」
とわらは言った。
「ゾの字とか言って、恋というよりかは、ホラーを感じてしまうのは私だけか?」
と北政所は言った。
カテゴリ:淀殿の日記 | 2008-11-12 公開
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