藤堂高虎くんの日記:第20回 公冶長


藤堂高虎12月23日

私は別に構わないのですが、あなたはこのまま引き下がれるのですか。

高野山に引き籠る私の元を訪れた太閤の側近・浅野長政殿は言った。

「どういうことですか。」

宿坊の縁側で私は尋ねた。

朝鮮水軍将・李舜臣に背を向けたままでよいのですか。

「彼は反派閥の水軍将に陥れられ、王命によって牢に繋がられているとか。」

そのうち出てきたら?

「保証はありません。」

他の日本の将が李舜臣の首を取ったら?

「死んでも死に切れません。」

もう答えは決まってるではありませんか。

「いえ、再び争って死ぬのは李舜臣ではなくどちらかいえば私の方かと…。」

公冶長(こうやちょう/孔子の弟子)、縲世(るいせい/獄中)の中に在りといえども、

「その罪にあらざるなり…(論語・公冶長)」

よくご存じで。孔子は、公冶長が投獄されようと彼の罪ではないと彼を認めていました。

李舜臣/韓国時代劇お決まり?の股裂き

李舜臣/韓国時代劇お決まり?の股裂き

「公冶長は李舜臣だと?」

公冶長はその後、どうなったのでしょうね。出て来られたらいいのですが。

と浅野殿は笑って、私の肩を叩いた。

李舜臣の心の強さはどこから来るのだろう。

朝鮮の学問である儒教から来るのかなって、暇だし私も論語を読んでいた。

どんな孤独も痛みも一人耐えている。

縲世の中に在りといえども、君は負けないだろう。

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