伊達政宗くんの日記:第62回 再びの遅参
11月29日
おばんでがす~。
鶏と卵ではねえけど、災害によって天下に道さなぐなるのか、天下に道さねえがら災害さ引き起こされるのか。朝鮮との停戦状態の中、文禄五年に京・伏見に大地震さ起こっだ。
おらはこの時、伏見の伊達屋敷にいだ。伏見城に居る太閤(秀吉)はケンチャナ(大丈夫)だべか。再出兵はこりごりだから死でくれて構わないが、生きていたらまたとない機会。
伊達屋敷の倒壊で血を流し倒れている家臣たちを、
「邪魔だべ!」
と飛び越え、
「殿!どこに行かれるのです!?」
と救急にあたるカズン(伊達成美)の声を無視しで、おらは伏見城さ急いだ。誰よりも早ぐ太閤のお側さ駆け付け、小田原の戦いで遅参しでしまっだ失敗を取り返すのだ!
伏見城に行き着くと、この世の終わりか。目も当てられぬほど城は崩れ落ちていだ。
「殿下!殿下!」
と城内を必死に探し回り、一人派手な衣を羽織った老人を発見した。かと思った瞬間、
「親父殿!!」
と一人の髭のむさ苦しい侍が現れ、太閤の手を取った。
「よかった、ご無事で。」
「加藤清正――ッ!」
「政宗殿?!何故ここに。」
清正はおらを見て驚いた。
「この権力の犬がッ!!」
「それはお互い様じゃ…」
とカズンは、崩れ落ちた伊達屋敷にけえって(帰って)来たおらに絶句しだ。
再びの遅参。一足遅がっだ。
カテゴリ:伊達政宗くんの日記 | 2018-11-29 公開
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