李舜臣くんの日記:第12回 招かれざる全羅左水使


李舜臣戦国28年11月1日

私は王命により、全羅道の県監(村長)から全羅左水営(海岸防衛の軍事施設)の最高司令官・全羅左水使(チョルラサスサ)に任命された。

それにしても左水営に最初の一歩踏み入れた、あの日のことは忘れられない。

ザバ――――ン!

正門の上からいきなり水を浴びせられたのだった。

 

ミアネヨ(ごめんなさい)!うっかり手が滑って。

と大きな桶を持った武官が謝ると、周りの武官らは大笑いした。

「ケンチャナヨ(大丈夫)。」

と私は顔を引きつらせて微笑んだ。

執務室に入り、びしょ濡れになった県監の青い制服から左水使の赤い制服に袖を通し、左水営の指揮官が集まる一室に入った。

左水使様、どうぞ。」と指揮官の一人が椅子を引いてくれたので、「カムサハムニダ(ありがとう)」と腰をかけようとしたら、

ドスン!

私は尻をついた。「ミアネヨ!」と彼が謝ると、周りの指揮官らは噴き出した。

おうちに帰りたい…。階級七段跳びで左水使になるということは、こういうことか。

左水営の大広場に向かう途中、「おはようございます。」と武官の一人が足を出したが、学習した私はそれに気付いて、ひょいとジャンプして「おはよう。」と挨拶。

李舜臣

李舜臣

大広場に到着すると、既に武官数千が整列していた。

気を付け!

と号令がかかったあと、私は武官数千の真ん中を貫く石畳の上を歩いた。

二二で武科を目指し、三二で合格。武官として各地を転戦し、ここに至るまでの道のり。自分を世の中の中心に置いていた時は苦しいだけだった。

この世の中のために私に何ができるだろう?

そう発想を転換できれば、どんな困難も乗り越えられる。

礼!

招かれざる全羅左水使だとしても、きっと――

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