淀殿の日記:第19回 6月の雨


淀殿 戦国22年6月14日

振り払っても振り切れない、うっとうしい6月の雨が嫌い。

やたら目につく、素朴さを失ったアジサイの花が嫌い。

わらわに平伏しているようで、平然とわらわを見下し、バカにしている諸大名たちが嫌い。男がキライ。女も大キライ。

何もかも嫌いキライと言っているわらわを、「寂しい人間。」と一蹴するだけの世間がキライ。

あなたに好かれるでも、嫌われるでもない自分が嫌い。何の取り柄も特技もない自分が一番、キライ。

そんなふうに何もかも嫌になってしまった時に、大野治長の笑顔を思い出して、キライなものを少しだけ許す気持ちになってしまう、単純すぎる自分が嫌い。

振り払っても振り切れない、うっとうしい6月の雨が嫌い。

やたら目につく、素朴さを失ったアジサイの花が嫌い。

けれどそこにあなたが立っていたら、好きになるかもしれない。そんなの馬鹿げてる。そんな単純すぎる自分がやっぱり好きじゃない。

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