第二部 侍韓流ドラマ

戦国デイズ – 武将たちの日記

豊臣秀吉くんの日記:第64回 伊達政宗の謀反


豊臣秀吉天正一八年一一月一九日

ご注進申し上げ――

聚楽第にて、子の鶴松と女中たちとに交ざって遊んでいたところ、浅野長吉(ながよし)がやって来た。

お取込み中でしたか。

「構わぬ、申せ。」

はっ。朝鮮使節一行、殿下との謁見を終えられ、再び対面することを得ず、和泉(大阪府)堺に留まっておられるとのこと。

「用は済んだじゃろ。」

金誠一殿曰く『吾、使臣なり。国書を報じて来る。もし返事無ければ、国王の命を草むらに棄てるに同じである』と。

「上副使(黄允吉・金誠一)に銀四百両、書状官・通事以下には品物を与えたというに。」

バンバンバン!!

鶴松が関心を示したことにより、使節からもらった太鼓を鶴松が叩いた。

「ようわかった。然るべき者に返書を書かせ下す。」

使節も喜びましょう。

「謂(おも)へらく、そなたは誰に仕えておる。」

お戯れを。恐れながら、然るべき者とは?

「それは――」

 

それから五日後。

兄者(あにじゃ)!

聚楽第にて、くつろいでいたところ、突然弟の小一郎(秀長)が文を片手に現れた。

「今度は何じゃ。」

佐吉(石田三成)に肩をもらっていたわしは、姿勢を整えた。

葛西・大崎領では木村吉清の子息・吉久(よしひさ)が、居城の栗原郡佐沼城で一揆勢に取り囲まれ、救援に駆け付けた吉清と共に籠城中とのこと。

「まだやっておったのか。」

わしは、利休が側で立てた茶を飲んだ。

「米沢の伊達政宗は何をしておる。」

蒲生氏郷は、伊達家の家臣・須田伯耆(ほうき)を通じて、政宗の謀反、葛西・大崎一揆の味方を密告してまいった。

伊達政宗

伊達政宗

「はああ?!」

わしは小一郎から文を受け取った。

やはり――

佐吉は固く唇を噛みしめた。

「えーと、ええっ――と…」

わしが文を眺めながら混乱していると、

まずは木村父子の救援。

と利休が応えた。

 

ちょうどその頃。

イゲムォヤ(これは何だ)!!

堺でわしからの返書を受け取った、使節の金誠一は言葉を失った。

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