松永久秀くんの日記:第65回 夢と借金と織田信長


松永久秀5月28日

俺様が全身全霊をかけて執筆した男女の契りの指南書第二弾

売れる自信があったから10万冊も作り、派手な広告を打って、自分の足で汗水流して営業もした。しかし1,300冊しか売りさばけなかった。俺様の手元には多額の借金だけが残った。

もう二度と男女の契りの指南書なんて書かない。そう胸に誓った俺様は今日、安土城で行われる織田家重臣会議に出席した。1時間半の会議が終わり、奈良に帰ろうとした時、

松永。」と後ろから声がしたので振り返ると、織田信長がいきなり俺様の胸に刀の刃を向けてきた。「おいおい、何の真似だよ!」と俺様は驚き、両手を挙げた。

織田信長

織田信長

以前、貴様から購入した男女の契りの指南書第二弾。第一弾より興奮できなかったら貴様を斬り殺してやるつもりだったのに、予想に反して興奮した。誠に残念。

と言って信長は刀を鞘におさめた。「命は助かったかもしれないけど、殺意を覚える程、憎たらしいおまえに喜んでもらっても全然うれしくないねえよ。」と俺様が溜息をつくと、「であるか。」と信長は苦笑して、俺様の前から立ち去った。

相変わらず何なんだ、あいつは。しかし全然うれしくないはずなのに、信長のせいで、二度と男女の契りの指南書なんて書かないという誓いは、あっけなく崩れた。

ちょっと借金背負ったくらいで、全てに絶望して、簡単に夢を諦める。そんなちっさい大人に久通にはなってほしくないし、そんなの俺様らしくもない。全然俺様らしくないと思ったんだ。

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