上杉景勝くんの日記:第31回 戦国バレンタインⅡ
今日は五大老定例会議があった。その後、近くの寺で五大老の家康殿、利家殿、輝元殿、秀家殿、わしとで恒例の夕食会があった。
「今日、大坂城の女中から、戦国バレンタインを三つも、もらったのですが、どうしましょう。」と秀家殿が言った。皆、もう?!とぎょっとして秀家殿を見た。わしは自分の懐から、菓子折り四個、皆の前に出した。
「景勝殿は私より一個多い!」と秀家殿は絶句した。「景勝殿は、意外にモテるのじゃのう。」と利家殿が感心した。
「何もしゃべらなし、笑いもしない、こんな無愛想な男のどこがいいわけ!?」と家康殿は怒りだした。「この展開、去年の戦国バレンタインと全く同じなような・・・」と輝元殿が首をかしげて、わしの菓子折りをじっと見た。
「あれ?この菓子折りのまんじゅうには、「愛」の焼印がありますよ?」「あ、なんだ、景勝殿!これは単なる、かねたん(直江兼続)からの差し入れか。」
バレたーーーッ!
このまんじゅうは、かねたんが、「いつも殿が、五大老の皆様にお世話になっているお礼。」としてわしに持たせたものだった。
「かねたんは、兜だけではなく、まんじゅうにまで「愛」をつけるのか。面白いのう。」「かねたんの差し入れを、戦国バレンタインに見せかけるなんて、景勝殿、反則ですよ!」
去年と同じ手は使えなかった。かねたんが、まんじゅうにまで「愛」をつけるからじゃよ。
カテゴリ:上杉景勝くんの日記 | 2010-02-10 公開
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