真田幸村くんの日記:第43回 ありえない新年


真田幸村戦国25年1月7日

去年の極月(12月)の28日の夕暮れに私は、淀川で私と同じくらいの背丈の河童を見かけた。そのことを仕事始めの本日、大坂城で働く同じ職場の人々に言ったら、

「おまえは子供か!」「ピーターパンか!」とか「そんな蒙昧(もうまい)な知性では徳川は倒せない。」とか、ひどく馬鹿にされた。

私はお昼休憩の時、恐る恐る、盛親先生にも河童を見かけたことを話した。

それはスゴイ。」と先生はおにぎりを持っていた手を休めて感服した。「先生は私の話を信じてくれるのですか。」と私は尋ねた。

おまえは嘘はつかないだろう。それにこの世が、神仏化物もなし世の中に奇妙ふしぎのことは猶(なほ)なし、じゃつまんないだろ。

俺はいつも、論理や理屈では説明がつかない、ありえないことを求めているんだ。

「例えば?」「例えば俺んトコに、お前の兄ちゃんの真田信之から、先生!本年もうちの弟を宜しくお願いします。なんていう年賀状が届く、みたいな。

「ええッ!」私は驚いた。真田信之先生から兄さんの年賀状を見せてもらうと、兄さんらしい地味な年賀状だったけど、ヘビの絵はイモ版で制作したようで妙に味があった。

神仏化物もなし世の中に奇妙ふしぎのことは猶(なほ)なしの世の中で、私はどれだけ奇跡を起こせるだろう。

ありえない新年の幕開け。兄さんが遠くにいてくれるなら、先生が近くにいてくれるならきっと大丈夫。今年の私は河童に出逢う以上の奇跡に巡り合える気がしたんだ。

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