上杉謙信くんの日記:第16回 一日8時間まで


上杉謙信8月3日

今日は隣国にいくさに赴いた。朝9時からいくさを開始して、お昼休憩を1時間、足軽たちに交代でとらせ、夕方5時30分になって、やっとお味方が優勢になってきた。敵の重臣たちの首を取り、いよいよ敵の大将の首まで、あと少しという所で、

今、何時じゃ。」と私は陣中で、軍師の宇佐美に尋ねた。「5時58分にございます。」と宇佐美は答えた。「退却の時間じゃな。」「は?敵の大将の首を取らずして、退却にごさいますか。」と宇佐美は目を丸くした。

越後国労働基準法によって、わが国の労働時間は、1日8時間と決めておる。長時間労働は、集中力が低下するばかりでなく、心身を疲弊させる。そして家族との時間を奪い、何もよいことがない。よって大将の首は、必ず8時間以内に討ち取らなければならない。

と私はきっぱり言った。宇佐美や周りの重臣たちは、そんな馬鹿なと、騒ぎ始めた。私はうるさいと一喝した後、言った。

私の民に残業までさせて、勝利したい、いくさなどないわッ!いくさも農業も商業も、越後国の民の労働時間は一日8時間までじゃ!

と私が怒鳴り散らすと、宇佐美も重臣も腰を抜かして、畏まりました、と兵を退却させた。今日もまた、正義の道に邁進する私であった。

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