石田三成くんの日記:第43回 絶交
1月19日
今、朝鮮の、罪のない、多くの人々が戦火に苦しんでいる。
私は、私一人でも朝鮮侵攻に反対すべきであった。それが太閤殿下の本当の臣というものだ。
しかし私は主戦派の空気に流された。終始周りに同調しているだけだった。こんな私が殿下の臣である資格はない。
だけど奉行として私は、朝鮮へ渡海し意に反して自らの手を血で汚している小西行長と宇喜多秀家様、名もなき我が国の人々を無事に帰国させねばならない。
しかしこの責務を果たし終えたら、私は豊臣を去ろう。
私が去っても、加藤清正や福島正則や黒田長政らが殿下と秀頼様を命を懸けてお守りするだろう。
私はこのことを、肥前・名護屋で大谷吉継に告げた。すると、
「私は君の友をやめようと思う。」
と大谷は私に告げた。
「は?」
私は思わず自分の耳を疑った。
「君と私は、殿下の朝鮮侵攻・明国征服という野望を制止せず、相変わらずただ馴れ合っているだけだった。挙句開戦後、私は自分のことは棚に上げて、心の中で君を軽蔑するようにもなっていた。私は君の友でいる資格がない。朝鮮の出兵が終わったら、私は君の元から去ろう。」
「大谷らしい。」
「私も久しぶりに三成らしい三成を見た気がする。」
大事だと思っているものを手放せば空無が開けるかもしれない。
大谷もそんな予感がしたのだろう。私は苦笑した。
お知らせ:戦国デイズ8周年記念・瓜畑の仮想大会・漬物瓜売りに扮した羽柴秀勝をUPしました。
前後の日記
« 真田幸村くんの日記:第49回 目覚めろ!真田幸村 藤堂高虎くんの日記:第1回 ライバルができた瞬間 »
2015年1月19日
ランダムデイズ
- 真田幸村くんの日記:第44回 Monster of shadow
- 小西行長くんの日記:第58回 嘘
- 李舜臣くんの日記:第5回 くたばらない悪にはカムサハムニダ
- 真田幸村くんの日記:第48回 太閤の置き土産
- 小西行長くんの日記:第27回 宇土城の住所