石田三成くんの日記:第38回 ファンレターを捨てる男


石田三成

戦国23年11月7日

五奉行である、浅野リーダー、増田殿、長束殿、前田殿と私は、全国から大坂城に届いた数々の願や書状を、破損や紛失した時の控として、本日も手分けして書き写していた。

相変わらず私への中傷の文も多く届いていた。「石田殿へのただの妬み。お気になさるな。」と浅野リーダーは私を励ました。「そうそう。石田殿へのファンレターも本日は三通も届いているわけですし。」と増田殿は私の肩を叩いた。

私もこんなふうに、おなごから手紙をもらってみたいものです。」と長束殿が溜息をついた。「石田殿みたいに甘いマスクでないとムリムリ。」と前田殿が言うと皆、笑った。

日が暮れる頃、私は大坂城の戦国ゴミ捨て場に行った。そして懐から手紙三通を取り出し、捨てた。「三成。」振り向くと友達の大谷吉継が立っていた。「大谷、何故大坂城に。」私は驚いた。「幸村くんとうちの娘の結婚式の司会を殿下に頼もうと思って。

「え、また!?」「殿下からOKの返事がなかなかもらえなくて。それより、コレ、ゴミなの?」と大谷が私が捨てた手紙、ファンレター三通を拾った。「知らない誰かの一時的な感情に、いちいち付きあってはいられない。」

けれど一瞬でも、三成を真剣に応援してくれたのも事実じゃない。簡単に捨てられるのは、これを書いた人がどんな人か想像することを放棄しているせいだよ。

そうかもしれない。日本全国、私を中傷する者が多すぎて、それに対して傷つかないように私自身、人の心を捨てていた。だからこのファンレターも平気で捨てられたんだと思う。「それにしても私も一度でいいから、女の子から手紙をもらってみたいよ。

「前田殿が言うには、私の様な甘いマスクでないと無理だそうだ。」「何それ!?」と驚く大谷に私は笑って、一度捨てた三通の手紙をもう一度懐の奥にしまった。

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