毛利秀元くんの日記:第19回 ソヨン


毛利秀元戦国30年11月10日

釜山倭城の僕の部屋に在った両班の娘がいなくなったので、僕は城外に出て彼女を探そうとした。

日本軍総帥たる方が、なりませぬ。ここは我々にお任せを。

家臣の宍戸元継が僕の腕を取った。

「ならば総帥を下りてもいい。」

僕は宍戸の制止を振り切って、城外に飛び出した。

彼女を夢中で探しているうちに気付けば僕は一人、城から遠く離れた竹林の中にいた。まずい。人の気配を感じた瞬間、朝鮮軍十数人が現れ、僕を取り囲んだ。

女々しい侍だな。

それは僕の部屋に娘を連れて来た僕の家臣――!

「そんな、いつから朝鮮軍に…」

刀を抜こうとした瞬間、四方から刀を突き付けられ、僕は尻をついた。

文禄の晋州城再攻撃後より。

「そんな前から?!」

竹林の影から、僕の部屋にいた娘が現れた。

「よかった、無事で。」

彼女は僕の前に進み出て言った。

ウリナラウィ ヨソンウル テピョハヨ(我が国の女性を代表して)――

何を言っているのかわからなかった。

バシッ!

ソヨン

ソヨン

彼女は僕の顔を思いっきり引っ叩いた。

殿!

後ろから宍戸以下、十数人の僕の家来が駆け付けた。そして直ちに発砲した。

「打つな!」

ソヨンニム(素延様)!

僕を裏切ったの家臣は彼女の手を取り、朝鮮軍と共にこの場から風のように消え去った。

今更あなたの名を知っても遅いだろうか?

ソヨンニム――

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