李舜臣くんの日記:第18回 元均からの新年の挨拶


李舜臣戦国30年1月3日

年明け突然、慶尚右水使・元均(ウォン・ギュン)が、ここ全羅左水営を訪れることになった。昨年末、私から新年のご挨拶に向かうと連絡したのに。

私は配下の順天府使・権俊(クォン・ジュン)に急ぎ酒席を設けるよう命じた。私は左水営の内門で元均を出迎えた。

おまえが新任の全羅左水使(チョルラサスサ)か。

と背の高い元均は私を見下ろした。

「初めてお目にかかります。」

と私は頭を下げた。

女みたいな面(ツラ)しやがって。

「ありがとうございます。」

誉めてない!大丈夫かコイツは。亀甲船とやらは?

ああ、亀甲船が気になって、新年早々自ら訪ねて来られたのか。私は高台に設けた酒席に元均を案内し、

「あれです。」

と上から見下ろした先の造船中の亀甲船を指差した。

まだ半分も完成されていないようだが。

「最強の軍船ゆえ造船には、通常より金も人手も時間も一〇倍かかるのです。」

一〇倍!?明日、倭賊が侵攻して来たらどうするつもりだ!

「明日、倭賊が侵攻して来ないかもしれませんので。」

元均は絶句した。

ひどく酔っぱらった元均が帰ったあとの夕暮れ。左水営の兵卒らに元均からいただいた餅を配った。

元均

元均「倭賊も李舜臣も俺が倒す!」

左水使様の余裕はどこから来るのでしょうか。

私の隣りで餅を食べながら権俊は言った。

「余裕なんて全然ないけど。」

芯がぶれないようにお見受けします。

「そのように見えるだけだ。今だって、これからあの人と付き合っていかなきゃいけないのか、と思うと憂鬱でならない。」

権俊は噴き出した。

「おいおい、補佐、頼んだよ。」

と私も笑って、餅を食べた。

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