李舜臣くんの日記:第15回 同じ志を生きている


李舜臣戦国29年3月10日

朝鮮南海岸の防衛施設・全羅左水営に赴任した当初、私は不安だった。

国王より階級七段跳びで全羅左水使(チョルラサスサ)に任命されて、こんなに偉くなってしまったら、きっと媚びを売られる。きっと貢物(みつぎもの)されちゃう。

「駄目です、そんなもの!」

ってちゃんと言えるかな。心配だったけど取り越し苦労だったみたい。

靴に砂がドッサリ入っている、スンドゥブに蛙が入っている、軍議に招集かけても誰も来ない、寝坊しても誰も起こしてくれない。

当たり前か!急いで身なりを整えて朝礼が行われる大広場まで猛ダッシュ。幸い私は運動神経抜群なので塀を三つ飛び越え、落ちている小鳥は巣に戻し、

礼!

と軍官が号令をかける三秒前に何千と並ぶ兵の前に立って敬礼。セーフ…!

どうしたらみんなと仲良くやっていけるのかな。どうして私はこんなにダメなんだろう。日本軍を倒す為の船の構造を考えなら溜息をついた。その時、都(ソウル)から私の元に大きな箱が届けられた。

開けてみると鳥銃数挺と文が入っていた。差出人は副首相・柳成龍(ユ・ソンリョン)様から。

舜臣、元気にしているか。これは去年、対馬の宗義智(そう-よしとし)から我が国に贈られた鳥銃を元に職人に造らせたものだ。

柳成龍

柳成龍

賊(日本軍)は皆これを使うというので、もっと送ってやりたかったが、我が国の技術では数挺が精一杯。然しながら君の何らかの役に立てれば幸いである。

柳様――

そうだった、大事なことを忘れていた。

一人だけど一人じゃないね。

柳様から推薦されて左水使に就任したのだ。

自分を否定することは柳様を否定すること。

同じ志を生きている。

柳様が信じた私を私は信じてみたいと思った。

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