北条氏康くんの日記:第44回 私がオジさんになっても 


北条氏康戦国25年7月28日

「尾張のウワサの若い人、知ってる?」

と私は小田原城内の一室で昼食を食べている時に、家臣で義弟の北条綱成(つなしげ)に言った。

織田信長とかいう、片肌出して、豹柄の半袴で朱鞘の太刀を下げてるド派手な、あの青年のことですか?」と綱成が握り飯を食べながら言った。

「そうそう。槍も普通の三間(5.5メートル)の長さから三間半(6.4メートル)まで伸ばしたり。」「古来からの作法や形式、秩序というのは一切無視したり。

「ここ最近、白髪はたくさん出てきて肌はどす黒くなった30代も後半の私には、そういう若い人の勢いとか、無茶ぶりが輝いて見えるんだよね。」

私は最近、肩こりがひどくなりました…」「そうなの?」「はい。でも歳を重ねて殿は、10代の信長がまだ知らないことを身にしみて知っているはずです。

「信長がまだ知らなくて、私が身にしみて知っていることって?」

勝利を収めることはそれほど難しいことではない。勝利を継続することこそ難しい。…とか

「そうね、そうだね。…というか綱成は老けたというよりなんか大人になったね。」「何ですかその上から目線。」「だって上だもん。」「上ですが殿と私は同い年ですから。

北条氏康綱成と私は笑った。

私がオジさんになっても綱成は変わらず私について来てくれるのだろうか。
綱成がオジさんになっても、私には多分、綱成しかいないのだろう。

私がオジさんになっても、綱成がオジさんになっても、若い時と変わらず私は今日という日のために精一杯生きたいと思った。

おまけ@今日の日記の大きな戦国写真

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