藤原惺窩くんの日記:第12回 私が歓喜の声をあげた瞬間、あなたは捕らわれた


藤原惺窩戦国29年5月22日

明へ遊学を企図するも、鬼界ヶ島(きかいがしま)に流れ着いて一年ほど過ぎた頃。

ついに、日本の船が鬼界ヶ島を通った。私は船を共にした仲間と一緒に助けを求めると、日本の船は素早くこれに応じた。

私が歓喜の声をあげた瞬間、あなたは捕らわれた――

私が鬼界ヶ島で過ごしている間に、太閤が日本軍再出兵(慶長の役)を決定。日本軍一五万ほどが再び朝鮮へなだれ込んだ。

日本水軍は、朝鮮水軍を撃ち破り壊滅状態にまで陥れた。日本陸軍の攻撃目標の一つは、前役(文禄の役)に侵略できなかった穀倉地帯・全羅道の南原(ナモン)城。

姜沆

姜沆

この時、博士・姜沆(カンハン)は官吏として、南原を死守する明・副総兵揚元の軍糧を湖南(ホナム)に運搬する監督をしていた。

日本軍が南原城の四方を取り囲み、激戦の末、揚元は敗走。南原城を落とした日本軍は、太閤の指示通り大量殺戮と鼻切りを行った。

姜沆はただちに故郷の全羅道霊光で義兵を挙げ、李舜臣の水軍に合流しようとしたが、藤堂高虎の軍に捕らわれた。

この時、姜沆の幼い息子と娘は波打ち際に打ち捨てられた。

私が歓喜の声をあげた瞬間、あなたは捕らわれた。

阿鼻叫喚した。

ここから、あなたの地獄の闘いが始まったんだ――

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