後藤又兵衛くんの日記:第56回 一瞬だけの又兵衛「殿」


後藤又兵衛5月24日

黒田の屋敷の廊下を歩いたら、前方から主君の吉兵衛(黒田長政)がやって来て、

又兵衛殿、調子はどうだ!」と声をかけられた。

「又兵衛殿!?又兵衛ではなく又兵衛殿!?」と俺は自分の耳を疑った。

今、わしは確かに又兵衛殿と言った…」と吉兵衛は廊下から見える雲ひとつない空を眩しそうに見上げた。

「殿は何故、私の名を殿と敬称をつけて呼ばれたのですか?」

黒田官兵衛

黒田官兵衛

徳川家康公は側近の老臣などにも、○○殿と殿を付けて呼び、非常に言葉遣いが丁寧だと言う。だからわしもそれにならってみようと思ったのだ。

「本当ですか。」「本当だ!

「いつまで続くことやら……」と俺はつい口から本音を漏らしてしまった。「あ。」

てめえ、今なんて言った!」「すみません、何でもありません!」

なんつったか聴いてんだよ、このクソ又兵衛がッ!!

と吉兵衛は俺の胸ぐらをグイッと掴んだ。

うっ!コロサレル…

というか、てめえとかクソ又兵衛とか又兵衛殿はどこ言ったんだ。頼むよ、吉兵衛。

でもまあ、先日、漢詩のベンキョーでもしようと思って三日も続かなかった俺が言えた義理ではないか。

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