山内千代さんの日記:第35回 戦国ジャイアントカプリコ(いちご)


山内千代3月20日

旦那の一豊が風邪をこじらせて倒れてしまった。そこで先日から私は一豊に代わって山内家の政務を取り仕切っている。

一豊の看病と政務に追われる私を救ったもの。それはバレンタインデーのお返しとして、中村一氏(かずうじ)からもらった戦国モロゾフのチョコレートと、生駒親正(ちかまさ)からもらった戦国新宿高野のチョコレートだ。

こちらとしてはあげたことも忘れてたりするのだけど、もらった方は結構しっかり覚えているらしく、それが返って申し訳なくもあり、めちゃくちゃうれしくもあった。

しかし山内で働く男たちは女の私に厳しい。私が政務でミスをすると、「だから女は。」とでも言いたげに、私に一瞥(いちべつ)を与えるだけだった。

仏の茂助(堀尾吉晴)

仏の茂助(堀尾吉晴)

しかし政務でミスったのは私が女だからではなく私が不勉強だからだ。もっと勉強しなければ。嫡子を作る気もない私は男として生きるしかない気がした。だけどそんな生き方も寂しい気がして、私は無意識に屋敷の外に出た。

その時、裏門の柱の下に「千代さんのことをこれからも蔭ながら応援しています。茂助より。」と書かれた戦国ジャイアントカプリコ(いちご)を見つけた。

バレンタインデーのお返しにしては遅いよ、茂助(堀尾吉晴)。だけど、一氏の戦国モロゾフや親正の戦国高野の高価なチョコレートより、戦国ジャイアントカプリコ(いちご)が泣けてくるのはどうしてだろう。

一豊以外の男も信じてみたいと思ってしまったのはどうしてだろう。きっと気のせいと、涙をこらえてジャイアントカプリコ(いちご)を私は一口かじった。

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