石田三成くんの日記:第31回 伊達政宗の陰謀
5月11日
五奉行である、浅野長政殿、増田長盛殿、長束正家殿、前田玄以殿と私は今日、伊達政宗殿が統治する陸奥国に乗り込んだ。
「ヒトの国さ、ズカズカ入って検地とは、感じわるいべ。」と政宗殿が抗議してきた。浅野殿と増田殿は、構わず田んぼの四隅に竹を立て、長束殿が縄を張り、前田殿が十字を使って測量した。
「政宗殿に限らず、大名ないし領主のほとんどが、我々に虚偽の検地データを申告するからです。そこで我等五奉行、自らが現地に赴き、検地を行うことに相成りました。」と私は、政宗殿に説明した。
その時、政宗殿の家臣、カズン殿(伊達成実)がやって来た。そして、「こら梵天!おがさ(お母さん)にちゃんと謝りなさい!」と輝宗殿のモノマネを、我々にいきなり披露した。皆は大爆笑した。
「あれ?石田殿は面白くなかったですか。」「はい、全く。」
しかし大ウケした浅野リーダー、増田殿、長束殿、前田殿は、カズン殿にモノマネのアンコールをしては、検地も忘れて大笑いしていた。
「作戦成功でがす~。」「政宗殿!もしかしてあなたは、カズン殿を使って我々の太閤検地の邪魔をしようとしてますね?!」「そそそそ、そんなことねがすよ!?」「・・・・・・・。」
政宗殿には毎度、呆れてモノが言えない。しかしこんなことに屈する私ではない。この陸奥国の、どこまでも広がる美しい田園風景もキッチリ、検地させていただきます。覚悟あれ、政宗殿!
カテゴリ:石田三成くんの日記 | 2010-05-11 公開
« 小西行長くんの日記:第34回 言葉は二つで充分だった 北条氏康くんの日記:第33回 綱成、北条家を去る »
ランダムデイズ
- 上杉景勝くんの日記:第41回 十炷香-其弐
- 淀殿の日記:第30回 十炷香-其三
- 豊臣秀吉くんの日記:第52回 朝鮮通信使来日
- 大谷吉継くんの日記:第31回 宗茂くんと小早川先輩を信じてみよう!
- 小西行長くんの日記:第46回 清正のかあちゃんにつかまって