武田信玄くんの日記:第35回 逆立ちあんちゃん
わしは、自分の部屋の壁に足をつけて、かれこれ一時間以上、逆立ちをしておる。
「そういえば、あんちゃん。武田を飛び出して、今、北条家にお世話になってる、武田24将の原虎胤(とらたね)殿から、文が来たよ。」と、わしの横にいた、弟ののぶくん(信繁)が言った。
「マジで?」「武田が恋しいって。けれど、北条家当主の氏康殿が猛将の原殿を強引に引き止めて、武田に戻れないらしい。」「マジで?」
「ちょっと、あんちゃん!動かないでよ!」とわしの絵を描いている、二番目の弟にして売れない画家の、ちいのぶくん(信廉)が叫んだ。
「逆立ち武田信玄という、この斬新な絵でいい加減、有名画家になりたい。これも駄目だったら、僕は武田を出ていく覚悟までしている。」
バッターーーン!!!
わしは腕がしびれて倒れた。「あんちゃんッ!」「大丈夫?!」「だ・・・大丈夫じゃ。」と、かわいい弟の為、わしはまた逆立ちをした。
原虎胤に続き、ちいのぶくんまで、武田を出て行かれたら、やりきれぬからのう。それにしても、氏康殿、うちの原虎胤、マジで返して。
カテゴリ:武田信玄くんの日記 | 2010-04-20 公開
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