伊達政宗くんの日記:第29回 おどさ


伊達政宗11月13日

その昔、伊達軍に降伏さしだ二本松城主・畠山義継の領土を、おらは極端に召し上げだ。更におらは、挨拶に来だ義継を無視しで、鷹狩りさ出掛けだ。

誇りをひどく傷つけられだ義継は、おらのおどさ(お父さん(輝宗))の城に赴き、おどさを拉致しだ。それを知っだおらは、二本松さ連れで行かれるおどさを急ぎ追っだ。

わしに構わず、撃て!

阿武隈川の手前、義継に捕えられたおどさが、おらに向かっで叫んだ。こんなことになっだのも、人に対する思いやりをなくしてだ、おらのせいだった。おらは自軍に「放て!」と命を下しだ。おどさは、おらの目の前で、伊達軍の無数の銃弾さ浴びで、義継主従と共に倒れだ。

梵天よ、片方の目が見えなくとも、もう片方の目で夢を見ればいい。誰よりも澄んだ、その瞳ひとつで充分じゃ」そう、いづか話しでくれだおどさ。そして今日もおどさが、おらを呼ぶ声が聴こえる。

おい、梵天。」「こら、梵天。」「おい、梵天。

振り向けば、それはまさが死んだはずのおどさであるはずがなぐ、悲しいがな、家臣の伊達成実だっだ。「なんだべ、カズン。」

私の今は亡き輝宗様のモノマネ、上達したでしょう。」と成実は、屋敷の柿をひとづもぎ取っで、おらに向かっで投げだ。その柿の木は昔、おどさ自ら植えだものだった。

おらはキャッチしで、「まだまだ。全然、似てないべ。」と柿さかじっだ。おどさの柿の渋くもほどよい甘さは、遠い記憶を、おらの過ちを、おどさとおらとの短すぎる思い出を、全で包みこんでぐれるようだっだ。

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