後藤又兵衛くんの日記:第47回 武功派と呼ばないで
6月6日
俺が黒田家の屋敷で昼飯を食っている時、主君の吉兵衛(黒田長政)が突然やって来て言った。
「又兵衛よ。わしは我慢ならない。兵庫県生まれのわしが、愛知県生まれの加藤清正、福島正則、山内一豊、加藤嘉明、堀尾吉晴、池田輝政に混ざって世間から武功派と呼ばれることに、もう我慢できない。
あんな槍働きしか取り柄のない様な連中と、才気あふれる黒田長政を十把ひとからげにしてくれるな!」
「長政殿ッ!」
振り返るとそこに吉兵衛のマブダチである福島正則殿がいた。福島殿は黒田家に遊びに来たのだろうか。吉兵衛と俺は蒼ざめた。
「福島殿!今の話はその、なんと言うか・・・」「確かに、頭がよくて、とても繊細な長政殿が、わしらと同じ武功派では釣り合いが取れん!」
「え。どの辺が頭がよくて、とても繊細なのでしょうか?」「又兵衛、おまえはわしにケンカ売ってんのか?!」
「親父殿が竹中半兵衛である所が。」「だからそっちじゃねえつってんだろ、福島殿!なんべん言ったらわかんだよッ!」「え。どっち?」
福島殿と吉兵衛のナイスコンビネーション。やっぱ360度、武功派にしか見えんよ、うちのお殿様は・・・・
カテゴリ:後藤又兵衛くんの日記 | 2011-06-06 公開
« 大谷吉継くんの日記:第22回 ほっこりの意味 伊達政宗くんの日記:第45回 カズン »
ランダムデイズ
- 豊臣秀吉くんの日記:第34回 ジリジリ
- 藤原惺窩くんの日記:第16回 孤独を選んで
- 豊臣秀吉くんの日記:第48回 北野大茶湯
- 小西行長くんの日記:第59回 登りつめれば
- 藤堂高虎くんの日記:第9回 不思議