織田信長くんの日記:第45回 イクメン!織田信長
3月13日
本日、京の宿所・妙覚寺で昼食を取っていた時、
「奇妙丸が能にのめり込み過ぎて困っておる。」
とわしは、梅干しのおにぎりを食べながら、明智光秀に悩みを打ち明けた。
「え、ご嫡男の信忠様が、ですか?」
と明智は高菜のおにぎりを食べながら言った。
「さよう。わしがいくら注意しても聞かぬ。」
とわしがため息をついた時、背後から
「パパあ~!」
と声がした。振り返ると、明智の娘・玉が松永久秀の肩に乗ってやって来た。
「玉!」
「あしたね、松永のおぢちゃんの多聞城で信忠くんの能公演やるから、パパもいつもブチ切れてるおぢちゃんも見に来て!」
「ハイ、特等席のチケット、一枚13,000円。」
と松永はチケット2枚差し出した。
「まーつーなーがーひさひでえええッ!!」
わしは刀を抜いた。
「貴様はひとんちの息子で商売かッ!」
「悪いか。」「悪いわ!」
「信忠くん、お能がとっても上手なんだよ。」
「で、俺様は感動して、多聞城にとっておきの能舞台を作った。いつまでも親のいうこと聞いている男もどうかと思うし、いくさ一辺倒なのも味気ないだろ。」
「殿、とりあえず、信忠様の舞台を観賞されては?」
「奇妙の舞が、わしの幸若舞より劣るようなことがあらば、その場で貴様の命はないと思え。」
わしは松永に刀を向けた。
「望む所よ。」「明智。明日、忘れずにわしを迎えに来い。」と明智のも含めてわしは松永にチケット代を渡した。
「有難くも光栄に存じます。」「そうこなくっちゃ!」「そうこなくっちゃ!!」
親のいうことを聞かなくなるわ、いくさ一辺倒でもないわ、奇妙は一体誰に似たのか。わしは苦笑した。
カテゴリ:織田信長くんの日記 | 2015-03-13 公開
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