上杉謙信くんの日記:第28回 滝川一益に頼んでみよう


上杉謙信10月23日

私はまた明智光秀殿が気になって、今宵も彼の屋敷に、ひとり忍び込んだ。「こんばんは、明智殿。あなたは今夜も徹夜で仕事をする気ですか。」と私は明智殿に尋ねた。

上杉殿はまた性懲りもなくやって来て。」と明智殿は溜息をつき、安土城から大量に持ち帰った仕事を、こなしていた。その時、屋敷の門を叩く音が聞こえた。滝川一益殿が、安土城で今日、明智殿が落とした財布を、届けに来てくれたのだった。

「これは渡りに船。同僚の滝川殿に仕事を手伝ってもらいましょう。」「彼は北条攻めで忙しいのです。」「それを承知で、助けを求める勇気。あなたがSOSを出せなのなら、私が頼みに行ってきます。」

明智殿は慌てて私を引き止め、門前に立つ滝川殿に逢いに行った。「財布を届けていただた上に申し訳ありませんが、新人武将育成マニュアルの作成を、手伝っていただけませんか。」と明智殿は頭を下げた。「構いませんよ。他にも私に手伝えることは、何かありませんか。」と滝川殿はさらりと言った。

明智殿は滝川殿の思いがけない言葉に驚き、またその優しさに涙を落とした。私はその様子を門の陰からそっと見つめていた。

困っているヒトはほっとけない。滝川殿もきっとそうなのかもしれない。今日も正義の道を、まっすぐ邁進する私であった。ほとんど出番なかったけど。

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