上杉景勝くんの日記:第28回 折鶴


上杉景勝戦国21年10月22日

今日は五大老定例会議があった。その後、近くの寺で五大老の家康殿、利家殿、輝元殿、秀家殿、わしとで恒例の夕食会があった。皆で栗きんとんを食べている時、利家殿が「病いを患ってる太閤殿下の為に、千羽鶴を皆で折ろうではないか。」と言った。

そして、折り紙千枚を皆の前に出した。皆からは泥くさい面倒くさいと大ブーイングが起こった。わしはひとり、鶴を折り縁側に立つと、庭に向かって飛ばした。家康殿が「折鶴が飛んだ!」と叫んだ。「え?折鶴って普通、飛ばないですよ。」と輝元殿が庭に出て、わしが飛ばした折鶴を拾いに行った。

普通の折鶴のカタチをしてない。この飛ぶ鶴は、景勝殿による発明なのですか。」と尋ねる輝元殿にわしはこくりと頷いた。わしは皆に懇願され、11年かけて苦心して発明した飛ぶ鶴の折り方を伝授した。皆、熱心に折り始め、一番先に完成させた秀家殿が、縁側に立った。

豪姫まで届け!

と秀家殿が折鶴を、備前国の方向に放った。折鶴は夜空に大きな放物線を描いて、広大な庭の端に静かに落ちた。皆から大きな歓声が上がった。「空高く飛びおった!」「でも豪姫まで届けって・・・。」「届いてないし。」「豪姫の心の中には、きっと届いたはずです。

わしらは朝方まで、寝るのも忘れて、折鶴を折っては飛ばし続けた。気づけば皆で三百羽折った。千羽まではまだ遠いが、皆で何かひとつのことをやったのは、これが初めてのことかもしれなかった。

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