石田三成くんの日記:第30回 五奉行補欠一番
2月22日
今日は五奉行定例会議があって、浅野長政殿、増田長盛殿、長束正家殿、前田玄以殿と、私が大坂城の一室に集まった。そして皆で、来月の大坂城雛祭りの準備をした。
「あ、この雛人形、腕が折れてる。」と雛人形を箱から出した増田殿が言った。
「私が治して差し上げましょう。」
と、部屋のふすまが開いたかと思ったら、いきなり大谷吉継が現れた。「大谷殿、何故ここに?!」と雛人形のホコリをはたいていた浅野リーダーが目を見開いた。
「何らかの事情で五奉行に欠員が出た時、五奉行補欠一番の私が、大坂城の奥で待機していることが、そんなに驚くべきことですか。」
「驚くよッ!というか、五奉行補欠一番って何だよッ!そして勝手に補欠一番になるな!」
と私は絶句した。「大谷殿は、よほど石田殿と仕事がしたいのですね。」と雛祭りの予算の計算をしながら、長束殿が笑った。「そそそそんなことありませんよ!」「慌てすぎですよ、大谷殿。所で、どの様に腕が折れた雛人形を直していただけるのですか。」
「包帯を巻くまでです。」
「三成はさっきからうるさいよッ!増田殿、腕の折れた雛人形を貸してください。」「ほ~お!大谷殿は、うまい具合に包帯を巻くものですね。それではこちらの足が折れている五人囃子(ばやし)も、宜しくお願いします。」「お任せください、前田殿。」
「包帯をぐるぐるに巻いてる雛人形って、見た目にどうなんでしょう。雛祭りには、全国の諸大名が大坂城に集まる予定ですよ。」
「包帯を巻いてでも、古い雛人形を大事に使う、これこそ日本人の精神だ!」「さすが、浅野リーダー!」「大谷ッ!」
今回の五奉行定例会議は、大谷吉継が加わったことにより、以前にも増してくだらない会議となった。これからも大谷はいきなり現れるのだろうか。何なんだろう。トホホホ・・・
カテゴリ:石田三成くんの日記 | 2010-02-22 公開
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