加藤清正くんの日記:第17回 隣りの晩御飯
9月5日
わしは今日、近くの川に釣りをしに出かけた。なかなかお目当ての魚が釣れない。しかし陽が落ちてきたので、釣り道具と釣れた魚を持って家路に向かった。
その途中、隣り近所の小西行長の屋敷からいい匂いがした。するといきなり、おたまを持った戦国エプロン姿の小西が、台所の戸から出て来た。
「だから肉じゃがじゃねえ!つてんだろ!」
「何も言ってねえよ!」
とわしは小西に驚いて、固まった。「おいおい、逆ギレかよ。」と小西はため息をついた。「は?コトバの使い方おかしいだろ。」「あ、いけない!弱火にしないと、じゃがいもが型崩れしちゃうわ!」と小西は、台所の戸をバシンと閉めて、自分の家に戻っていった。
もう、こんなヒトの隣りに住むのいやだ・・・と、陽が沈む空を見上げて、わしは涙ぐんだ。
カテゴリ:加藤清正くんの日記 | 2009-09-05 公開
« 武田信玄くんの日記:第32回 ただの馬場信春 松永久秀くんの日記:第39回 自分らしさの呪縛 »
ランダムデイズ
- 豊臣秀吉くんの日記:第40回 宗義智、宣祖に拝謁す
- 藤原惺窩くんの日記:第12回 私が歓喜の声をあげた瞬間、あなたは捕らわれた
- 徳川家康くんの日記:第34回 李舜臣と狸のしっぽ
- 加藤清正くんの日記:第36回 降倭・沙也可(さやか)
- 大谷吉継くんの日記:第17回 孤独の糸