武田信玄くんの日記：第32回　ただの馬場信春

９月３日

わしには２４人もの重臣がおるから、武田の今後を話し合う前に、今日も出席を取るぞ。タイムカードという味気ないものは、わしは好かん！

「山本勘助！」「はい、元気です。」「真田幸隆！」「はい、元気です。」「高田馬場！」・・・・しーん・・・・。「高田馬場はおらんのか！」「あんちゃん、高田（たかだの）はいらないんだよ。あんちゃんの出席簿、どうなってんの？！」とのぶくんが眉をひそめた。

ばーれーてーるーしー。

高田馬場信春、泣いちゃったしー。仕方ない。わしは深呼吸して叫んだ。

「ただの馬場！」

「あんちゃん！いい加減にしなよ！」とのぶくんは怒鳴った。ただの馬場は、「自分、出席取られるより、タイムカードの方がいいです！」と泣き叫んだ。すると僕も！俺も！という声がたくさん聞こえてきた。

しかし労働を時間で管理するなんて、わしにはできん！これからも朝、皆の顔を確認してから、わしは仕事をするつもりじゃよ。