藤堂高虎くんの日記:第17回 ふざけんな!


藤堂高虎戦国30年6月11日

「そんな、嘘だろ?!」

高野山で私が大声を上げると、その声は山々に鳴り響いた。

「なぜ李舜臣が王命によって朝鮮水軍を追われなければならないんだ!」

何でも左水使(サスサ)李舜臣は、反派閥の右水使(ウスサ)元均(ウォン・ギュン)に陥れられたようで、牢に繋がれているのだとか。

と高野山に訪れた塙団右衛門はそう答えた。

「ふざけんな!李舜臣は日本水軍に連勝していた大英雄なんだ。元均なんぞに日本水軍が倒せるか!」

私は団右衛門の首を絞めた。

わ、私に言われも…く、苦しい…

「李舜臣がいなくなったら朝鮮が日本になってしまうではないか!」

私は塙団右衛門の首から手を放した。

ゴホッ、ゴホッ、何よりではないですか。お優しいのですね、高虎殿は。

「どこがだ!朝鮮で多くの人を傷つけた。」

 

李舜臣

在りし日の李舜臣

紫陽花が雨に打たれていた。

本当は、戦争がなかった朝鮮が、学問があり靴がある朝鮮がうらやましかった。

天は悪を一掃できぬほど無力ではないこと。そう信じさせてくれる存在が君だったのに。

ちゃんと食べているだろうか、拷問に耐えているのだろうか、辛い苦役に耐えているのだろうか。

左水使が指揮官から外れたとなると、日本にとってはまたとない機会。太閤が朝鮮再出兵に動き出すだろう。

秀長様、どうか左水使をお守りください。

高野山の寺院で私は一人、悔しさの余り嗚咽した。

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