後藤又兵衛くんの日記:第59回 ケンチャナヨ-平壌攻撃前夜


後藤又兵衛10月10日

日本の諸将らは太閤の命で朝鮮に侵攻。

第一軍の小西行長殿は、釜山(プサン)に上陸するやいなや、破竹の勢いで北上し、都の漢城(ソウル)を落とし、平壌(ピョンヤン)も制圧した。

第三軍の主君の吉兵衛(黒田長政)と俺は現在、小西殿と共に平壌城にいる。

朝鮮の民たちよ、すまぬ。黒田長政が強すぎるのだ!

と吉兵衛は平壌城の関門の上で自画自賛した。俺たちは犬のように小西殿の後に続いて来たただけだろ。

そんな折、朝鮮が明に援軍を要請。間もなく明軍が平壌にやって来るかもしれないとの情報が入って来た。

直ちに小西殿主導の元、軍議が開かれ、

これはヤバイ。

と吉兵衛が青ざめたが、

「そう、こなくっちゃ!」

と俺は思わず声を発した。

死ぬぞ。

と小西殿は寸鉄刺すように俺に言った。

「朝鮮軍に軽々連戦連勝で平壌まで来て私はふと思ったのです。私が私である為には、可能―不可能の境界、つまり死の瀬戸際に立たなければいけないと。」

冗談じゃねえよ!俺は死の瀬戸際ではなく、金と女と長生きさえあればいいッ!!

アハハハハッ!正反対の主従だな。

黒田長政、又兵衛、行長、宗義智

黒田長政、又兵衛、行長、宗義智

と小西殿は笑った。

義智。

はっ!

と小西殿の娘婿の宗義智殿が返事をした。

可能―不可能の境界に立ってみないか?

大国・明に勝てるとでも?

ケンチャナヨ(朝鮮語で大丈夫の意)。我らには長政殿と又兵衛殿がいる。

それのどこがケンチャナヨ何でしょうか?!

義智殿、ナイスツッコミ。

吉兵衛。それでも俺たち、ここまで来たら覚悟を決めるしかないんだぜ?

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