武田信玄くんの日記:第25回 枝毛と白髪
今日も弟の、のぶくん(信繁)が、わしの自慢の赤毛を屋敷でブラッシングしてくれた。わしは、鏡の前に座り、のぶくんはわしの後ろに立って、のぶくんは、わしの赤毛に丁寧に、くしを通していた。
「あれ、あんちゃん、枝毛があるよ。」とのぶくんが言った。「え。この赤毛は、地毛じゃないんだけど。ただのかぶりモノだよ、のぶくん。」とわしは言った。「でもほら見て。」とのぶくんは、わしのを赤毛を一本抜いて、見せてくれた。
「本当に枝毛だ。ただの鎧なのに。」とわしは首をかしげた。「あんちゃん、白髪も見つかったよ。」「白髪も!?」「ほら見て。」とのぶくんは、今度は白髪になった赤毛を一本、抜いて見せてくれた。「嗚呼、本当だ。」とわしはまた言った。
「あんちゃんのこのかぶりモノ、おもしろいね、アハハハ!」「うふふふ。」「アハハハ!」「うふふふ。」・・・・って気持ち悪いんだけど、わしのかぶりモノ。
カテゴリ:武田信玄くんの日記 | 2009-01-17 公開
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