北条氏康くんの日記:第21回 有名になりたい


北条氏康戦国20年10月29日

はあ、何をどうすれば私は多くの人に認められるのだろう。日記にしても、武田信玄と上杉謙信の日記の方が、私の書くものより、人気があるようだ。理由は、彼等が元々有名人だから。それだけ。と、思うことにしている。

 

いや、そもそも、そんなことはどうでもいい。落ち着け私。他にやらなければならないことは、たくさんあるはずだ。だいたい有名になった所で、なんの得があるというのか。

 

何故人は、私は、そんなに特別な存在になりたいのだろう。誰かひとりでも、私を認めてくれる人がいるのなら、それで充分なはずだ。私は幼馴染み且つ家臣である北条綱成(つなしげ)にとって、既に大切な存在なのだ。

 

氏康様。私はそんなこと、思ったことも言ったことありませんが。

振り返ると、綱成が私の日記帳を手にしていた。実は今、私は筆をおいてお茶漬けを食べていた。お腹がすいたもので。

ちょっと!人の日記勝手に読んでじゃあ、ないよ!」と私は綱成から日記帳を奪い回した。「毎月、ご自分の日記、公開してるじゃありませんか。今更なんですか。意味のわからないこと言わないでください。」と綱成は言って、小田原城の自分の仕事場に戻って行った。

前後の日記

« »

ランダムデイズ

関連トピック